1年間の企業分析バトルを終えた。ファンダメンタル分析を得意としない自分としては、やや不安がありながらのスタートだった。
短期投資の目線になると、つい企業分析を疎かにしてしまう。そのあたりが響いて......。
チャレンジした「シューカツに役立つ企業分析バトル カブ大学対抗戦」だが、この1年を総括して、反省しながら振り返ってみる。
「シェアリングテクノロジー」の失敗で学んだこと
【総資産の合計】
1年間の投資総額 192万4000円
回収した金額 207万5000円
損益の状況 プラス15万1000円
最初の銘柄として選んだ「ギフト」は短期投資目線の「買い」だった。IPO(株式の新規公開)直後の飲食銘柄で、横浜家系ラーメン「町田商店」などを展開。ほぼ安値で拾うも中途半端なところで利益を確定してしまった。これはよくなかったと思う。
ギフトはIPO後、商品単価を上げていた。これが、経常利益に反映されるまでは保有していてもよかったのではないかと感じる。また、IPOの飲食銘柄でありがちな、株主優待の新設で、株価が安定的に上昇するパターンも考えられた。この2点が株価に反映されれば、さらに含み益を伸ばしていただろう。
次に選んだ銘柄は、「シェアリングテクノロジー」。この銘柄を選んだのは失敗だったように思う。最初にシェアリングテクノロジーを買ったのは、決算での大きな下げからだ。その決算では、営業CF(キャッシュフロー)が大幅のマイナスで経常利益が伸びているような決算だった。M&A(企業の合併・買収)による「負」ののれんによって、経常利益が伸びているように見える決算で、株価は大幅に下落した。
自分としての浅い分析としては、「買い」と判断してしまった。理由としては、決算が出るよりも前にM&Aなどは開示されているはずなので、それが理由で下げるとしたら、市場の過剰反応ではないかと感じたからだ。
これが、のちに大きく含み損を抱える結果となってしまう。反省点としては、買収先を分析すればよかったのだと思う。たとえば、事業内容との相乗効果がなければ、「負」ののれんを目的とした買収の可能性が考えられる。また、買いエントリー後の損切りポイントとしては、社長が自分の株を売りに出しているときだと思う。
短期目線になると、企業分析をあまりしないので、こういうことを「企業分析バトル」で経験できてよかった。
飲食銘柄の「ギフト」でスタートダッシュを決めたが......
自分の好みで選んだ銘柄が、「マネーフォワード」だ。自分が好きなIPO銘柄パターンとしては、IT系の「赤字上場」企業なのだ。赤字上場は、投資家からあまりよく思われていないため、なんとなく期待値が高いと思っている。なかでも、マネーフォワードは長期的に保有できる、いい銘柄だったと思う。
1年間の企業分析バトルでは、紆余曲折もありつつファンダメンタル分析について考えるいい機会だったと思う。
最後に、自分の推薦銘柄を書いておきたいと思う。それは東証マザーズに上場する「ツクルバ(2978)」だ。この記事を読んでいる人には、自分で調べてみて投資判断をしてほしい次第だ。
1年間、ありがとうございました。
※ 頭の数字は、連載の掲載順。
2.ギフト(記事掲載2018年11月 2日)
・株式購入時の日にちと株価と株数・投資金額
2018年11月2日 600株 株価2540円 投資額 152万4000円
・売却した日にちと株価と株数・回収した金額
2018年11月30日 600株 株価3020円 回収した金額 プラス28万8000円
7.シェアリングテクノロジー(記事掲載2018年12月4日)
17.シェアリングテクノロジー、リアブロード(記事掲載2019年2月26日)
2018年11月30日 200株 株価2000円 投資額 40万円
・売却した日にちと株価と株数・回収した金額
2019年2月6日 200株 株価1315円 回収した金額 マイナス13万7000円
15.ユナイテッド&コレクティブ(記事掲載2019年1月22日)
29.マネーフォワード(2019年4月24日)
42.スタジオアタオ(記事掲載2019年9月23日)
【株式取引ルール】
- 月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
- 投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
- 1年間のトータルで損益を競います。