「トランプ相場」といわれたように、2019年の株式市場はまさにトランプ米大統領に翻弄されたのではないか――。とにかく、突発的な動きが多かった。
「シューカツに使える企業分析バトル カブ大学対抗戦!」では、なかなか投資銘柄がしぼり切れずに選定に悩んだが、6銘柄について分析した。その結果......。
「基本」に立ち返るきっかけをつかめた
【総資産の合計】
投資総額 139万7800円
回収した金額 144万1200円
損益の状況 プラス4万3400円
まずは、2019年の株式市場の所感を書いていこうと思う。昨年は好調の2017年、不調の2018年に続く流れだった。2018年末にかけての下げ相場がリセッションの始まりを予感させ、続く2019年は米国経済の動向(フェデラル・ファンド金利、米中貿易戦争、経済指標)をにらみながらのジリジリとした展開になった。
私にとって、この1年は「ガマン」のしっぱなしだった。米国の突発的な動きが多かったからだ。特に米国と中国による追加関税のかけあいでは、思いがけないタイミングでの情報発信がたびたび行われ、先行きの不透明感を押し広げていた。
そこで、私が考えた最善の方法が、ガマンすることだった。難しい相場を打開するために試行錯誤するよりも、個人投資家を悩ませる情報の不足を受け入れ、長期的な市場全体の成長という根底に立ち返り、積み立て投資を続ける。2019年は見通しが読めない難しい1年だったからこそ、そんな基本に立ち返るきっかけをつかむことができた。
さて個別銘柄だが、記事にした「イボキン」「クスリのアオキホールディングス」「MonotaRo」「プレナス」「スパークス・グループ」「東海カーボン」の6銘柄の中で、特に結果のよかった銘柄、悪かった銘柄として、「イボキン」と「東海カーボン」をピックアップした。
「イボキン」の勝因、そして「東海カーボン」の敗因は、さまざまあるだろうが、その一つに「機関投資家の存在」があげられると考えている。
機関投資家は厄介だ!
機関投資家は厄介だ。私たち個人投資家と比べて情報を多く持っているし、それに対する反応速度も速い。加えて、資金規模が大きいため、銘柄の値動きが激しくなりやすい。
「東海カーボン」は、業績の見通しが悪くなった時の下げ幅が激しかった。これは機関投資家が手を付けやすい大型銘柄であったことが起因していると思う。
それに対して「イボキン」は、時価総額の小さな中小型銘柄だった。機関投資家の存在を念頭に入れた投資をするというのは、今回の「企業分析バトル」を通して学んだ教訓の一つだ。
※ 数字は、連載の掲載順。
3.イボキン(記事掲載2018年11月 2日)
・株式購入日と株価・株数・投資金額 な し
・売却日と株価・株数・回収した金額 な し
・株式の含み益・損の価格 な し
9.クスリのアオキホールディングス(記事掲載2018年12月 6日)
・株式購入日と株価・株数・投資金額
2018年11月25日 100株 8170円 81万7000円
・売却日と株価・株数・回収した金額
な し
・株式の含み益・損
2019年11月29日(株価8330円) プラス1万6000円
11.MonotaRo(記事掲載2019年1月 8日)
・株式購入日と株価・株数・投資金額
2018年12月25日 100株 2550円 25万5000円
・売却日と株価・株数・回収した金額
な し
・株式の含み益・損
2019年11月29日(株価3080円) プラス5万3000円
16.プレナス(記事掲載2019年2月19日)
・株式購入日の株価・株数・投資金額
2019年1月25日 100株 1895円 18万9500円
・売却日と株価・株数・回収した金額
な し
・株式の含み益・損
2019年11月29日(株価1926円) プラス3100円
24.スパークス・グループ(記事掲載2019年3月22日)
・株式購入日と株価・株数・投資金額 な し
・売却日と株価・株数・回収した金額 な し
・株式の含み益・損の価格 な し
28.東海カーボン(記事掲載2019年4月15日)
・株式購入時日と株価・株数・投資金額
2019年3月25日 100株 1363円 13万6300円
・売却日と株価・株数・回収した金額
な し
・株式の含み益・損
2019年11月29日(株価1076円) マイナス2万8700円
【株式取引ルール】
- 月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
- 投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
- 1年間のトータルで損益を競います。