ネットの炎上や風評被害などの事例研究や、SNSや最新テクノロジーなどを活用する際のリスクのほか、さまざまなセキュリティ対策の研究や啓蒙活動に取り組む一般社団法人、ニューメディアリスク協会(東京都港区)は2020年2月19日、東京都内のホテルでセミナーを開くとともに、4月に「デジタルリスク協会」に名称変更すると発表。個人情報の取り扱いにおけるリスクと東京五輪・パラリンピック開催時のリスクなどについて講演した。
東京オリ・パラでサイバー攻撃増加の懸念
講演では、中村理事長がインターネットやSNS投稿、さらにはAI (人工知能)とIoTの台頭、そこからの5G時代到来に備える必要があると説明。また、データをめぐる争いは世界同時進行しており、「 GDPR(EU 一般データ保護規則)」などの個人情報保護やプラットフォーム規制、サイバーセキュリティ、など「GAFA」や「BAT」を含む一般企業も巻き込んでいる。そのため、新しいテーマについて政治・行政を含む連携をして対策を練っていると説明した。
また、登壇者にはリスク検知に特化したビッグデータ解析ソリューションを提供する株式会社エルテスの代表取締役、菅原貴弘氏を招き、今夏の東京五輪・パラリンピックの開催期間中の訪日旅行者数の増加に伴う政府や企業へのサイバー攻撃の増加などのデジタルリスクのほか、主要道路や鉄道網、船舶の運航などの交通インフラへのフィジカルリスクの課題について、事例も交えて解説。こうしたリスクへの対応について、同社が取り組んでいる入国審査の強化のための日本版ESTA(米国・電子渡航認証システム)や警備業のデジタル化、ニセ動画「ディープフェイク」への対策、情報銀行などの事例について説明した。
なお、ニューメディアリスク協会は、4月1日の名称変更に伴う新体制の発足をあわせて発表した。