オリジナルは米空軍のツール
トレーニングプログラム「インバスケット」は、1950年代に米空軍で利用された能力測定ツールがオリジナル。インバスケット(inbasket)の単語としての意味は「未処理箱」「未決入れ」などで、そこから、制限時間内に行った案件処理の方法などから能力発揮の具合を観察するトレーニングプログラムの名前として広がるようになった。
インバスケット研究所では、「インバスケット研究会」として活動を始めた06年から教材などを開発。その後、パソコンやインターネットを使ったツールの普及に取り組み、企業研修などで法人顧客を増やしていった。教材出荷数は累計21万5000部(2019年)、「インバスケット」の導入企業は、JR東日本、NTT西日本など累計795社にのぼる。
新サービスの「MYマニュアル」について、インバスケット研究所の鳥原社長は、雇用状況や企業文化の変化に合わせ、個人のマネジメント能力が重視されるようになった状況を指摘。管理職一人ひとりについての「マニュアル」が手軽にできれば、個人の能力の生かし方にも幅が生まれると考え、その実現のため、スコアリングの方式を新たに開発、インバスケットの内容を時短化するなどの工夫を凝らしたことを強調した。
人材活用のほか管理職へのギフトなど、多くは企業の管理職教育の一環としての利用を見込んでいるが、鳥原社長は「個人での作成ももちろん可能です」と話す。