「勝ちに不思議勝ちあり。負けに不思議負けなし」
最後に、上に立つものの心構えについて、さらに二つの名言を。
「リーダーは好かれなくとも、信頼されればよい。嫌われることを恐れる者にリーダーは務まらない」
これは最近の経営者、管理者に特に心して欲しい、ひと言です。
嫌われることを異常に恐れて、言いたいことも言えない。さらにひどい場合、大切なことを自分で言わずに人に言わせるなどというリーダーも間々います。
言いたいことをしっかり言い、部下の考えをしっかり聞くことで信頼関係は生まれるのだと、監督は言いたかったのでしょう。
「勝ちに不思議勝ちあり。負けに不思議負けなし」
「不思議勝ち」とは、ビジネスではなぜかわからないけど、うまくいくことは希にあるということ。逆に不思議な負けは存在しないとは、失敗した時には必ず理由があるから、原因を突き詰めて同じ轍を踏まないことが重要である、と教えてくれていると思います。
野村克也監督のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。(大関暁夫)