夜間の道路工事やビルの建設現場、イベント会場に金融機関や大手企業が入居するオフィスビルなどで見かける警備員。そんな警備員が一番大変だったことは「立ちっぱなし」だった。半数以上の52.7%が、そう答えた。「ミドルシニアお仕事ナビ」を運営する大成広告社が、40~60代の警備員112人を対象に調査してわかった。2020年2月13日の発表。
2番目に大変だったことは、「とっさの判断を求められる」ことで45.5%、3番目は「クレーム対応が大変」の44.6%だった。
警備員歴10年以上は4割、自由な勤務時間が魅力
調査によると、警備員として働いている延べ年数を聞いたところ、1~3年未満が最も多く、17.9%だった。次に多いのが5~7年未満で16.1%、15~20年未満が15.2%、10~15年未満が14.3%と続いた。
20年以上という人も10.7%おり、10年以上警備員を続けている人は全体の40.2%にのぼった。
警備員になった理由を聞いてみると、「特に理由はない」という人を除けば、「働く時間が自由だから」が17.9%で最多。交代制による勤務体系の警備会社も多いためか、自分の好きな時間で働けることに魅力を感じている人が多数いるようだ。
警備員になって大変だったことでは、半数以上の52.7%が「立ちっぱなし」と回答。「とっさの判断を求められる」(45.5%)、「クレーム対応」(44.6%)、「問題が起きたときの緊張感がある」(43.8%)、「トイレに行けないことがつらい」(28.6%)が続いた。
また、自由回答の中には、
「夜勤で睡眠不足」(68歳)
「休みが不定期」(64歳)
「足腰への負担が大きい」(52歳)
「給料が安い」(59歳)
といった声が聞かれた。
「警察官と間違えられる」ことがあった
さらに、大変だった特徴的なエピソードとして、
「東日本大震災の時にエレベーターが停止し、復旧するまでの6時間、交代が来てくれなかった」(58歳)
「火災の発生」(49歳)
「台風など災害で国道通行止めの際、3日間ほど延々仕事が続いた。いつ仕事が終わって帰れるのか、まったく見当がつかなかった」(56歳)
「豪雨や降雪時でも、屋外で立っていなければならないので、大変」(54歳)
「心肺停止のお客様に心肺蘇生を行ったこと」(52歳)
「おなかの調子が悪く、急にトイレに行きたくなったが、抜けられず冷や汗をかいた」(64歳)
「イベントで将棋倒しになりかけた時」(48歳)
「位置情報ゲーム系の人たちの施設内への誤侵入の対応が大変。偽装するなど悪意をもって侵入してくる人が多く、気を緩める間がない」(50歳)
「警察官と間違えられる」(51歳)
などが挙げられた。
自由回答で、「警備を行っているとき、何を考えていますか」と聞いたところ、
「突発事態の対応」(56歳)
「余計な事は考えず次の仕事のパターンをイメージする」(58歳)
「警備=サービス業と思います。ビルの勤務者、来訪者に不安、不満を抱かせないようなおもてなしを心がけています」)(68歳)
といった声が寄せられたが、
「警備中、異常がありませんように!」
と願う警備員が多数いた。
なお、調査は関東在住の警備員を対象に2020年1月24日~25日に実施した。