深夜作業は間接照明で......
ホルモンは、ふだんは無意識に分泌されているが、その役割や効果、分泌のタイミングをよく理解すれば、身体のバランスをコントロールすることが可能。本書では「仕事で成果を上げるため」「周りの評価を上げるため」「現在の仕事に充足感を抱くため」――などの目的別に「ホルモン活用法」を紹介。ほかに、ビジネスパートナーにやる気を出させる、あるいは、心を開かせる―などのための「ホルモン操作術」や、ふだんからホルモン力を高めるための習慣づけのアドバイスが収められている。
ホルモンは親しみのある言葉ではあるが、その内容は医学系。自分でコントロールといっても難しいのではなかろうかと思われるかもしれないが、そんなことはない。
たとえば「ここぞの大一番に勝つ」ことを望む場合。「推奨行動」は(1)勝負の時間は朝にする(2)深夜作業するには間接照明の下で(3)ゲームセンターで対戦ゲームをする――。そして「NG行動」は「昼夜逆転の生活をする」
「勝負」の決め手となるホルモンの一つは、テストステロン。その分泌は朝に大量に行われ、夜に向かって減少する。夜に部屋の明かりをフルにつけていると減少速度が加速するという。
「朝のように明るくするほうがよいのでは」と考えるのは間違い。深夜に作業する必要がある場合は間接照明にすべきだ。対戦ゲームは、心配性の人や本番に弱い人の事前準備に最適という。闘争本能がかきたてられ、テストステロンは他人と競うなかで分泌量が増加する性質がある。
「昼夜逆転の生活」が「大一番に勝つ」うえでNGなのは、もうわかるだろう。フリーランスで自宅作業をしている人は生活のリズムが崩れがちだ。生活のリズムをなるべく一定に保つことを心がけ、深夜に作業をしなくてはならないときがあっても慢性化しないよう、アドバイスしている。
「ハーバード式 ホルモンを整えてハイパフォーマンスを引き出す 無敵の仕事術」
Harvard Business Hacks Researchers編、伊藤裕監修
宝島社
税別1500円