「ホルモン」と聞いて、多くの人が「ホルモン剤」や「ホルモン焼き」を思い浮かべるのではなかろうか。いずれにしても、ホルモンには「癒し」や「活性化」の響きが感じられるだろう。
実際のホルモンは、身体のさまざまな臓器を構成する細胞で作られ、別の臓器の細胞に働きかける化学物質。担うのは癒しや活性化だけではない。現在まで100種類以上のホルモンが発見されているが、その役割は多種多様。その人の性格から友達の数、食欲、睡眠の深さ、老化のスピード、寿命――など、さまざまな事柄がホルモンによって決定される。
そんなホルモン研究の聖地である米ハーバード大学による、ホルモン「効果」を開設した一冊。
「ハーバード式 ホルモンを整えてハイパフォーマンスを引き出す 無敵の仕事術」(Harvard Business Hacks Researchers編、伊藤裕監修) 宝島社
「インスリン」や「アドレナリン」も
本書「ハーバード式 ホルモンを整えてハイパフォーマンスを引き出す 無敵の仕事術」は、米ハーバード大学をはじめとする世界最先端のホルモン研究を紹介するとともに、その知見を活用して、ビジネスシーンに役立てる最強メソッドを紹介している。
ホルモンの効果を最大限に引き出せる簡単なアプローチ方法をシーン別に、NG行動と対照して解説する。
わたしたちの体内では、外部からの刺激(ストレス)によって崩れそうになる身体の内部環境のバランスを保つため、日夜さまざまなホルモンが働いている。
しばしば耳にすることがある「インスリン」や「アドレナリン」もその仲間だ。
インスリンは、食事のあと血液中のブドウ糖が増えるとすい臓から分泌され血糖を下げる働きを持つ。高血圧症と並ぶ日本の国民病に一つ、糖尿病はインスリンの分泌に異常が発生し、うまく糖質代謝ができなくなるせいで、いくら食べても栄養不足に陥る。糖尿病の人がインスリンを注射するのは、糖質代謝と促すためだ。
アドレナリンは、興奮と関係が深いホルモンで、強いストレスを感じたり、興奮して交感神経が刺激されたりしたときに副腎から分泌される。ストレスに対抗するために、身体の機能を一時的に向上させ、心拍数を上げたり、呼吸を早めたりする。