4月の総選挙の駆け引きに使われる「パラサイト」
朴槿恵政権時代の与党で、「ブラックリスト」をつくる側だった最大野党の自由韓国党は、「パラサイト」がカンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞を取った段階では、
「体制転覆の内容をはらんでいる典型的な左派映画など見ない」(同党国会議員)
などと総スカンの態度だった。
ところが、アカデミー賞4冠を達成したとたん、同党のパク・ヨンチャン広報担当が、手のひらを返すように、
「『パラサイト』が新しい歴史を開いてくれた。何よりも新型肺炎で停滞状況に落ちた大韓民国に伝えられた、恵みの雨のような良いニュースだ」
というコメントを発表したのだった。
このコメントの中には、新型肺炎対策に右往左往する文政権を非難する意味も込められている。
文政権の与党・共に民主党関係者は、
「今まで弾圧しておいて、何を言うか!」
とカンカンだ。
早くも4月に行われる総選挙に向けた駆け引きの道具に「パラサイト」が使われ始めたようだ。
(福田和郎)