高額報酬の女性は、コンサルタントなどの専門職に多いことが、総合人材サービスを提供するパーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」の調査でわかった。2020年2月10日、女性の平均年収ランキング2019」を発表した。
全167職種あるうち、第1位は「投資銀行業務」(693万円)。2018年は4位(584万円)だったが、大幅アップして17年以来の1位に返り咲いた。
女性は男性に比べて昇給に恵まれない
調査によると、2位は「リスクコンサルタント」(591万円)、3位「戦略経営コンサルタント」(576万円)。2018年の上位3職種は「業務改革コンサルタント」(642万円)、「弁護士」(632万円)、「アナリスト(金融系専門職)」(603万円)だったが、この1年間でトップ3の顔ぶれがすべて変わった。
なお、上位10職種に最も多くランクインした職種分類は「コンサルタント・専門事務所・監査法人専門職」だった。実績が評価に直結しやすいコンサルティング系職種が、男性と同じく女性の平均年収ランキングでも上位になっている。
平均年収を年代別でみると、20代が319万円、30代が375万円、40代が401万円、50代以上が428万円と「年功序列」の様相。男性の年収も合わせた「全体」の年代別年収は、20代が345万円、30代が442万円、40代が507万円、50代以上が622万円だった。
「全体」と比べると、女性の年収の年代に応じた金額の増加が限定的であることが明らかで、パーソルキャリアは、出産・育児などによるキャリアの分断によって女性の管理職が男性に比べて少なく、昇給の機会に恵まれないことも一因として考えられるとしている。
地域別では、「関東」が最も高く363万円。2位には326万円で「関西」と「東海」が並んだ。関東の中では、東京都が最も高く383万円。次いで、神奈川県(354万円)、千葉県(342万円)、埼玉県(335万円)、栃木県(331万円)、茨城県(330万円)の順で、47都道府県別では、上位6位までを首都圏の都県が占めた。
他の地域をみると、北信越(312万円)、中国・四国(311万円)、九州・沖縄(310万円)、北海道・東北(307万円)だった。
なお調査は、2018年9月から19年8月の1年間に、転職サポートの「dodaエージェントサービス」に登録した約40万人のデータから、正社員として働く20~65歳のビジネスパーソンの平均年収を元に、パーソルキャリアが女性の平均年収を職種や年代、地域などのカテゴリー別にまとめた。