中国発の新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大するなか、東京株式市場は日経平均株価は春節明けの上海株式市場が上昇するとともに、米国株式市場がハイテク株中心に好調なことを背景に3週間ぶりに値上がりした。
とはいえ、新型コロナウイルスの感染被害はなおも拡大。勢いは止まっていない。中国経済の減速は避けられないとの見方が増えていることから、外国為替市場ではドルの上値は重くなりそう。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 新型肺炎の拡大続き......
日経平均株価予想レンジ:2万3000円~2万4500円
2020年2月7日(金)終値 2万3827円98銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合い相場のなか、個別株を物色する動きとなりそうだ。
前週の日経平均株価は、3週間ぶりに上昇した。新型肺炎の世界的な拡大に歯止めがかからないなか、中国人民銀行が市場への資金供給を実施したことや、中国・上海株式市場が上昇したこと、米国の経済指標が市場予想を上回ったことなどが好感された。為替相場が一時1ドル=110円台の円安となったことも支援材料となった。
今週の日経平均株価は、引き続き、新型肺炎の世界的拡大が終息する見込みはなく弱含み、もみ合いが予想されるなか、企業決算が本格化することから個別株を物色する動きとなりそうだ。
日本、米国、中国の経済指標の発表が相次ぐため、市場予想を上回る結果となれば、相場の上げ材料となりそうだが、新型肺炎に対する懸念は強く、上値は重くなりそうだ。
東京外国為替市場 新型肺炎、FRBパウエル議長はどう見る?
ドル・円予想レンジ:1ドル=109円00銭~110円50銭
2020年2月7日(金)終値 1ドル=109円72銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。
前週のドル円相場は、ドル高・円安の展開となった。中国人民銀行による市場への資金供給や株式市場の反発などを受け、ドルは一時1ドル=110円台まで回復した。
今週のドル円相場は、新型肺炎の世界的な拡大に対する懸念は強く、継続的なリスク回避のドル売りが予想され、ドルの上値が重くなりそうだ。市場では11、12日に予定されているFRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長の議会証言に注目が集まっているが、新型肺炎の米国経済への影響などに言及すれば、リスク回避のドル売りが強まる可能性がある。
経済指標は、国内では10日に1月の景気ウォッチャー調査、12日に1月工作機械受注、などが予定されている。
海外では、10日に1月の中国の生産者物価と消費者物価、13日に1月の米国消費者物価、14日に1月米国小売売上高、1月米国鉱工業生産などが予定されている。なお、10日にトランプ米大統領が、2021年度予算教書を提出する。
(鷲尾香一)