フードロスを防ぐのも「SDGs」...... 2020年のトップキーワードの意味がわかる

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   カラフルなドーナツ型のバッジを胸元につけている人が増えている。政治家や財界人がスーツの襟につけていることに気付いた人も多いだろう。しかし、あのバッジがどういうものかを知っている人はどれほどいるだろうか――。

   アクセサリーのようにも見える、あのバッジは「SDGs(エスディージーズ)」のバッジだ。SDGsは「2020年いちばんのビジネスキーワード」。関連図書の出版も相次いでいる。

「60分でわかる! SDGs超入門」(バウンド著、功能聡子・佐藤寛監修)技術評論社
  • 17項目の「持続可能な開発目標」
    17項目の「持続可能な開発目標」
  • 17項目の「持続可能な開発目標」

SDGsバッジの「17」色の意味

   SDGsは「Sustainable Development Goals」を略。日本語では「持続可能な開発目標」とされ、2015年9月に国連サミットで採択された。

   国連加盟193か国による国際社会全体で、2030年までに持続可能な社会を実現しようという大きな目標を掲げている。そして、さまざまなパートごとに17の目標が掲げられ、それぞれの目標には、より具体的な「ターゲット」が設定され、その数は169項目にものぼる。

   「地球上の誰ひとり取り残さずに達成する」が、ゴール共通の理念だ。

   カラフルなSDGsのバッジに使われているは17色。それが、17のゴールを意味している。

   世界を見渡せば、いま注目の渦中にある新型肺炎も関係する健康や衛生の問題や、貧困、気候変動、海洋汚染、人種やジェンダーに起因する差別など、さまざまな課題・問題が指摘されている。こうした問題ごとのの解決を目指して掲げられたのが17のゴールだ。

   本書は、それらがなぜ必要なのか、取り組むことにより得られるメリットは何か、また、ゴールによっては、取り組まないことで被るデメリットはあるのか―を解説。1テーマを見開きで収め、横書きで、右ページにはグラフや図表があり、わかりやすいつくりになっている。

日本企業の取り組みを紹介

   SDGsのバッジを付けているのは、ビジネスパーソンが多いのだが、それは、SDGsの取り組みが産業界の関与なしには進まないこと。また、SDGsに取り組むことが産業を持続可能な成長へと導くからだ。

   本書は6つのパートから成るが、パート1の「世界全体で達成を目指す17の目標―なぜSDGsは注目されるのか?」以外のパート2から6までは企業がらみの解説になっている。

パート2「企業がSDGsに取り組むべき理由」
パート3「『サプライチェーン』からやるべきことが見えてくる」
パート4「SDGs達成のカギを握るESG投資とは?」
パート5「企業は経営とSDGsをどうリンクさせるのか?」
パート6「ビジネスとSDGsを両立させる企業の取り組みから学ぶ」

――という具合だ。

   パート6のビジネスとSDGsを両立させる取り組みでは、食べ残しなど廃棄食料から飼料を製造する廃棄物処理と飼料製造のハイブリッドモデルや、森に自生するコーヒー豆のブランド力を高め、地域住民の経済力向上を図るプロジェクトなど、いずれも日本企業が行っている取り組みが紹介されていて興味深い。

   まだよく知らない人も、もっとよく知りたい人にも、最適な入門書。

「60分でわかる! SDGs超入門」
バウンド著、功能聡子・佐藤寛監修
技術評論社
税別1080円

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