「キャッシュレス社会」賛成派増えるも、Pay業界は再編の嵐でどうなる!?

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   LINEが展開するLINE Payが、Yahoo!系のPayPayと同じZホールディングス傘下に入ることに加えて、2020年1月23日にはメルカリのキャッシュレス決済子会社、merpayがOrigamiPayを買収すると発表。スマートフォン決済サービスを展開するPay業界は、再編の嵐が吹き荒れている。

   その一方で、「キャッシュレス社会」の到来に、賛否が二分していた利用者側は、この2年で「賛成」派が大きく増加して、賛否が逆転。スマホ決済サービスの浸透がうかがえる。

  • 「キャッシュレス」に対する意識は2年間にかなり変化した
    「キャッシュレス」に対する意識は2年間にかなり変化した
  • 「キャッシュレス」に対する意識は2年間にかなり変化した

現金利用、5割近くが「減っている」

   博報堂生活総合研究所が行った「お金に関する生活者意識調査」(2019年11月)で「キャッシュレス社会」について全国の20~69歳の男女3900人を対象に、「『キャッシュレス社会』になったほうがよいか?」聞いたところ、63%が「なったほうがよい」と回答。「ならないほうがよい」は37%で、賛成が多数を占めた。

   2年前の17年11月調査(全国3600人が対象)では、「なったほうがよい」は48.6%、「ならないほうがよい」が51.4%で、拮抗しながらも反対が多かった=下図参照

   この2年の間に、キャッシュレス手段が多様化するなどの変化があり、それに合わせて消費者の意識も変化したことがうかがえる。

   男女別でみると、男性の69.2%、女性の56.8%がキャッシュレス社会に「なったほうがよい」と回答。前回調査では、それぞれ58.7%、38.5%で、女性ほうが反対派が多数だったが、この2年で女性の賛成派も5割を超えた。

   また、年代別でみると、前回調査では賛成派が多数だったのは50代(50.5%)だけだったが、今回調査では、20~60代のすべての年代で賛成が反対を上回った。

   実際の支払い手段は、変化したのかどうか――。最近2~3年の支払い手段の変化について聞いたところ、現金の利用が「増えている」との回答が10.7%だったのに対して、「減っている」が48.8%だった。

   「キャッシュレス化」は進んでいるようで、クレジットカードの利用でみると、「増えている」の45.3%に対して、「減っている」は6.2%、電子マネーは「増えている」が37.3%、「減っている」が6.8%だった。

「PayPay+LINE Pay」に待ったをかけるのは......

   こうした消費者の意識を変えているのは、Pay事業者らによる強烈なポイント還元キャンペーンがある。ただ、消費者にはオトクだが、競争の激化で事業者はその負担に耐えられなくなってきた。

   2019年10月からの消費増税に伴い導入された、政府による「キャッシュレス・消費者還元事業」の後押しも、キャッシュレス化の拡大には「貢献」しているものの、圧倒的なシェアを誇るPayPayの存在もあって、弱小のPay事業者には厳しい経営状況が続いている。

   MM総研が2019年9月27~30日に、スマホを所有する18~69歳の男女3万5000人を対象に実施した調査によると、ふだんの支払い方法でスマホによるQRコード決済を使っている人は全体の22.5%を占めた。その利用で最も多かったのが「PayPay」(44.2%)だった。「楽天ペイ」が17.1%、「LINE Pay」が13.6%と続く。

   クレジットカード連携できるサービス(PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、d払い、Origami Pay、Amazon Pay)の利用者が多い傾向がみられた。

   LINE Payに子会社化されるOrigami Payは創業が2012年と早く、Pay業界では先駆け的な存在だったが、利用ポイントである加盟店は約19万か所と思うように伸びなかった。

   一方のmerpayも、加盟店開拓には腐心していた。同社はLINE Payやd払い(NTTドコモ)、auPAY(KDDI)と加盟店開拓でアライアンス「Mobile Payment Alliance」(MoPA)を立ち上げ、PayPayを追ったが、LINE PayがPayPay(加盟店数、約185万か所)と組んだことで、昨年12月にアライアンスを解消した。

   「PayPay+LINE Pay」の「1強」に、「楽天ペイ」や「merpay+Origami Pay」が待ったをかけることができるのか、また2番手、3番手に合流するPay事業者が現れるのか、目が離せない。

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