「PayPay+LINE Pay」に待ったをかけるのは......
こうした消費者の意識を変えているのは、Pay事業者らによる強烈なポイント還元キャンペーンがある。ただ、消費者にはオトクだが、競争の激化で事業者はその負担に耐えられなくなってきた。
2019年10月からの消費増税に伴い導入された、政府による「キャッシュレス・消費者還元事業」の後押しも、キャッシュレス化の拡大には「貢献」しているものの、圧倒的なシェアを誇るPayPayの存在もあって、弱小のPay事業者には厳しい経営状況が続いている。
MM総研が2019年9月27~30日に、スマホを所有する18~69歳の男女3万5000人を対象に実施した調査によると、ふだんの支払い方法でスマホによるQRコード決済を使っている人は全体の22.5%を占めた。その利用で最も多かったのが「PayPay」(44.2%)だった。「楽天ペイ」が17.1%、「LINE Pay」が13.6%と続く。
クレジットカード連携できるサービス(PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、d払い、Origami Pay、Amazon Pay)の利用者が多い傾向がみられた。
LINE Payに子会社化されるOrigami Payは創業が2012年と早く、Pay業界では先駆け的な存在だったが、利用ポイントである加盟店は約19万か所と思うように伸びなかった。
一方のmerpayも、加盟店開拓には腐心していた。同社はLINE Payやd払い(NTTドコモ)、auPAY(KDDI)と加盟店開拓でアライアンス「Mobile Payment Alliance」(MoPA)を立ち上げ、PayPayを追ったが、LINE PayがPayPay(加盟店数、約185万か所)と組んだことで、昨年12月にアライアンスを解消した。
「PayPay+LINE Pay」の「1強」に、「楽天ペイ」や「merpay+Origami Pay」が待ったをかけることができるのか、また2番手、3番手に合流するPay事業者が現れるのか、目が離せない。