「男ヤモメにウジがわく。女ヤモメに花が咲く」は昔話か
――投稿者は難しい選択の岐路に立っていますね。個人的な話になりますが、私が独身だった1970年代(昭和40~50年代)には「男ヤモメにウジがわく。女ヤモメに花が咲く」という言葉があり、独身男が部屋を散らかし放題にしているのは、ごく当たり前の光景でした。回答者たちの意見を読むと、そんな男は許されない時代に変わっていますね。近年、急増している40代、50代の「結婚できない男たち」問題の背景には、「家事ができない男はアウト」という女性の意識があるのでしょうか。
川上さん「統計上、40代、50代男性の未婚率が女性よりも高いのは、男性が再婚する際に女性は初婚のケースが多いのに、逆は少ないからだという指摘もあります。つまり、モテる男性が何回も結婚して複数の妻を得るぶん、モテない男性があぶれてしまうという図式です。
また、40代、50代が子どものころは、まだ『夫が稼いで妻が家事』という価値観が根強く残っており、今とはかなり違っていました。しかし、女性の就業率が上昇を続け、徐々に夫婦対等に共働きする時代へと移り変わっていく中で、女性自身の意識変化は進んでいったと思います。その一方、もちろん個人差がありますが、男性は子どものころに植え付けられた価値観のままの人が多く、女性ほどには進んでいない可能性はあるかもしれません」
――ところで、もう一つ「結婚すべきではない」という意見の中で多いのは、「投稿者に彼に対する愛が感じられない」「彼に尽くしたいという気持ちがあるのか」といった「結婚=愛のゴール」という古典的な結婚観があり、投稿者の打算的な考えを批判しています。こうした考え方についてはどう思いますか。
川上さん「結婚観は人それぞれに違いがあってよいと思いますが、中には投稿者さんに『結婚=愛のゴール』という結婚観がなさそうに見える点に疑問を感じる人もいるのだと思います。しかし、そのことよりも、打算的に見えてしまう結婚によって投稿者さんや夫、そして周囲の人たちまでも、後々不幸になってしまうことがないかを懸念しているのではないかと感じます」