コロナウイルス拡大で「Tokyo2020は大丈夫か?」 海外メディアは不安モードいっぱい(井津川倫子)

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小池都知事は「手を洗いましょう」と言うけれど......

   このニュース、米ニューヨークタイムズ紙は大会組織委員会ではなく、小池百合子東京都知事の発言にフォーカスしました。

「Wash Your Hands」 Tokyo Governor to Residents Ahead of Olympics as Coronavirus Spreads
(「手を洗いましょう」コロナウイルスが拡大するなか、東京都知事が五輪前に都民に呼びかけ)

   みなさんは、この見出しにどういった印象を抱きましたか?

   この「手を洗いましょう」記事は、ロイター通信が発信したもので、ニューヨークタイムズ紙だけではなく、他国のメディアにも掲載されています。小池都知事が五輪会場の完成式典で「コロナウイルスの拡大を防ぐために、手洗いとマスク着用を」と呼びかけたのですが、うがった見方をすれば「五輪開催の対策として手を洗おう」と奨励しているようにも読み取れます。

   何も知らない海外の読者に、「えっ、東京都は『手を洗う』くらいしか対策がないの?」と不安を与えてしまうようで、個人的には「ちょっと、ニュアンスが違うのでは?」と疑問を感じてしまいました。

   あまりにもコロナウイルスの影響を不安視する報道にばかり触れてしまい、ひがみっぽくなってしまったのかもしれませんが(笑)。

   東京五輪・パラリンピックへのコロナウイルスの影響を不安視する海外メディアの報道は、横浜港沖合に停泊していたクルーズ船での集団感染のニュースが一つのきっかけではありました。地理的にも中国に近い日本。海外から見たら「Tokyoは大丈夫か?」と不安に思うのでしょうか。

   それでは、「今週のニュースな英語」、「pour cold water」(水を差す)を取り上げます。文字どおり「cold water」(冷たい水)「pour」(注ぐ)、という意味ですが、「けちをつける」など否定的な意味合いで使います。

Please don't pour cold water.
(けちをつけないで下さい)

前置詞の「on」を使うと、「~にけちをつける」となります。
Please don't pour cold water on the conversation
(人の話にけちをつけないで下さい!)

動詞を「throw」(投げる)に変えても意味は同じです。
Please don't throw cold water on my idea.
(私のアイデアにけちをつけないで下さい!)

   すでに、いくつかの競技の選考大会がコロナウイルスの影響で延期になるなど、東京五輪・パラリンピックへの影響が出始めています。世界保健機構(WHO)が「デマに気をつけて」と警告していますが、もしかしたら「Tokyo2020」への影響は、私たちが思っている以上に深刻かもしれません。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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