「70歳定年」の閣議決定にネット民が総スカン 「若手のやる気をそぐ」「何歳まで働かせるつもりだ!」

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   政府は2020年2月4日、企業に対し、従業員の70歳までの就業確保に努めるよう求める高年齢者雇用安定法などの改正案を閣議決定した。

   少子高齢化が進むなか、働く意欲と能力がある高齢者の労働参加を促し、社会保障の支え手になってもらうことを狙っている。今の通常国会で成立すれば2021年4月から施行される。

   あくまで企業側の「努力義務」だが、ネット上では、

「正直、お年寄りが増えるのは職場の大迷惑」
「若手や中堅層のポストが減って、やる気をそぐ」
「いったい我々を何歳まで働かせるつもりだ!」

などと、当のお年寄りも含めて総スカン状態だ。

  • 元気に働く高齢者が増えているが……(写真はイメージ)
    元気に働く高齢者が増えているが……(写真はイメージ)
  • 元気に働く高齢者が増えているが……(写真はイメージ)

「姑息なやり方で年金不足分の収奪を考えたな」

   改正・高年齢者雇用安定法などの閣議決定については、年金不足などのツケを高齢者自身に負わせるものだといった激しい政府批判の意見が非常に多かった。

「政府もいよいよ姑息なやり方で年金不足分の収奪を考えたな。大昔、『年齢55歳定年、老後は年金受給で安心した第二の人生を!』と放言していたが、旧厚生省年金担当による不正資金流用から雲行きが怪しくなり、年金運用も安部内閣から株式運用をして、さらに資金の透明性と差損が分かりにくい状態になった。
70歳まで働くことは確かに現在の老人の元気さを見るといいように思うが、では枯渇する年金原資を補填するための就労年齢引き上げは、本当に将来の日本の社会保障制度から正しい選択かどうかは別問題だ」
「年金運用の失敗を高齢者の労働によってごまかすの? 第一次安倍政権の時に『年金問題は最後の1人まで私が責任を持つ!』って言っていたのはホントだったの? 第二次政権発足の時に『国会議員定数大幅削減、やりましょう!』って言っていたけど、いつやるの? 22歳で入社し40年弱頑張れば、残りは贅沢しなければ暮らしていけると思っていたのに、さらに10年も長く働かなくてはならないなんて、そんな社会に希望を持てるの?」
「経団連のお偉いさんが、『働くと年金が減らされるという理由で働かない人なんかごく一部だ。多くの高齢者は働きたくてたまらない』とコメントしていましたが、経団連の役員になるぐらいの人なら、仕事が楽しくてたまらないでしょう。生活のために病気の体に鞭打ってツライことを我慢して働く人が多いのです。それでも働けというのは虐待でしかありません。経団連役員が高齢者を語るときは自分を基準にしないでいただきたい」

   一方、「70歳までの雇用確保」という趣旨にはおおむね賛成だが、問題点が多々あると指摘する意見も、ごく少数だがあった。

「70歳までの定年延長には賛否があると思うが、いろいろな課題が出てきそうだ。たとえば、体力、健康面での個人差。通勤時の問題。クルマ通勤の場合、現在社会問題化している高齢ドライバーの運転をどうする? 労働基準法なども改正する必要がある。現在、8時間が就業ルールだが、60歳以上は6時間にするとか」
「年金支給開始年齢が引き上げられるから、収入確保のため必要な施策とは思う。ただ、高齢期は健康や判断力など個人差が大きくなる。企業によっては賃金が最も高い世代が給料に見合う働きをせず、若年層のやる気を削いでいる実態もある。一方で、健康で技能・人脈の蓄積もある人が無理やり定年退職させられている実態もある。もったいないと思う。これからは、60歳以降は一律に年齢で線を引かず、個人を見て雇用形態などを考えたらどうか」
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