過去と今では、「中身」が違う!?
それでも1万5000円と5000円を比べると、「1万5000円という水準に抵抗がある」という人は少なくないかもしれません。
きょうの基準価額は、運用を開始した日(設定日)からの「変化率」を測ったものにすぎません。投資の対象資産が上がった(下がった)分だけ、基準価額も上がって(下がって)います。
ただし、覚えておきたいのは、ファンドの設定日以降、まったく同じ銘柄を保有し続けているわけではないということです。多くのファンドでは、運用のプロであるファンドマネージャーが、割高だと判断した銘柄は売却し、割安や妥当だと判断する銘柄に入れ替えるなど、少しでも上がる可能性のある銘柄に投資していきます。
入れ替えた銘柄が、ファンドマネージャーの目論見どおり上がれば、その分だけ基準価額も上がるのです。
やはり、ここでも大切なのは、きょうの基準価額の水準ではなく、これから投資対象資産がどれだけ上がるかなのです。
「5000円くらいの投信がオトクだ」
「1万5000円の投信は高くてイヤだ」
といったように、どうやら基準価額の水準だけを見て、投資信託の良し悪しを決めるのは間違いと言えそうです。
これから上がる、期待が持てる投資先かどうか、という視点が大切です。(日興アセットマネジメント マーケティング部 乙部洋輔)