超ド級スポーツカー「GRスープラ」で勝負に出る矢先だったトヨタ
韓国では、日本の放射能問題について非常にナーバス、かつ攻撃的になっている。
日本では東京五輪・パラリンピックを「被災地復興五輪」ととらえ、聖火リレーのスタートや、一部競技の会場を福島県に計画しているが、韓国では「放射能五輪だ!」と猛反発。文在寅(ムン・ジェイン)政権が、ボイコットをちらつかせたこともあったほどだ。
トヨタ車の検査強化が今後、どんな影響を日本車に及ぼしていくのか――。
折しもトヨタは、超ド級のスポーツカー「GRスープラ」を武器に、不買運動で落ち込んでいた韓国市場に反転攻勢をかける矢先だったのだ。中央日報(2020年1月21日付)「韓国トヨタ、スポーツカー『GRスープラ』発表......『韓国消費者満足度の強化が核心』」が、ほんの数日前にあった輝かしいお披露目の様子をこう伝える。
「韓国トヨタは1月21日、ソウルでGRスープラ公開記者発表会を開催した。GRスープラは『Supreme(注:最高の意)Fun-To-Drive』というコンセプトで開発されたトヨタの正統スポーツカーだ。韓国トヨタの武村信之社長は『真の運転の楽しさを感じることができるGRスープラとともに、スポーツドライビングの面白さを感じてもらいたい。今後、さまざまなGRラインナップに触れてもらえると思う』と話した」
GRスープラは、近年、電気自動車や自動運転車の開発にシフトしているトヨタが、初代スープラ以来、17年ぶりに復活させた本格的なスポーツカーだ。レーシングマシンからフィードバックした直列6気筒DOHCツインスクロールターボは、最高出力340馬力・最大トルク51.0㎏-mという圧倒的な力強さを生み出す。ド派手なデザインが記者たちを圧倒した。
しかし、記者たちからは日本車不買運動に対する質問も出た。これについて、カン・デファン韓国トヨタ常務は慎重に言葉を選びながらも、
「昨年(2019年、さまざまな外部要因で)販売が減少したが、これがすべてではないと考えています。消費者の満足度を高め、安心していただけるようにするにはどうしたらよいか悩んでいます。多くの方に選んでいただくためには消費者満足度の強化が核心です。それがGRスープラです」
と、自信を持って答えたのだったが......。
(福田和郎)