サイバー攻撃対策、中小企業では経営課題「優先度」低く

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   日本損害保険協会は、2020年2月の「サイバーセキュリティ月間」に合わせて実施した「中小企業の経営者のサイバーリスク意識調査2019」の結果を、1月28日に発表した。それによると、中小企業ではサイバー攻撃の対策は他の経営課題より優先度が低く、4社に1社は対策を講じていないことなどがわかった。

  • 国内企業へのサイバー攻撃が増えている
    国内企業へのサイバー攻撃が増えている
  • 国内企業へのサイバー攻撃が増えている

4社に1社がサイバー対策を講じていない

   日本損害保険協会によると、東京五輪・パラリンピックを控え、国内企業へのサイバー攻撃が急増。大会がさらに近づくと、対策が進んでいない中小企業がサプライチェーン攻撃により狙われる可能性があるという。

   そこで意識喚起を含め、中小企業の経営者を対象としたサイバーリスク意識調査を行った。

   サイバー攻撃対策について、52.4%の経営者が「OSやソフトの脆弱性管理、ウイルス対策ソフト導入」を挙げて取り組んでいることを表明。その一方で、24.0%「対策をしていない」と回答。また、4.8%が「わからない」と答えるなど4社に1社の割合で対策が取られていない実情が示された。

   また、優先度の高い経営課題について、「収益性の向上」「人材の育成」「新規顧客の開拓」などの項目を並べ、そのうちの3つを選んでもらったところ、選択肢の中の「サイバーリスクへの対応」を選んだのは1.6%。サイバーリスク対応は経営課題としての優先度が低いことがわかった。

   自分の会社がサイバー攻撃の標的になる可能性があることを認識しているといえる企業は1割未満で、「攻撃の対象となる可能性の程度」を聞くと「高い」が1.0%、「やや高い」が5.2%で、合わせても6.2%だった。

   ただ「被害のイメージ」については、「十分イメージできている」(10.9%)「ややイメージできている」(38.5%)を合わせて50%近くはイメージできているようだが、「まったくイメージできていない」会社が9.5%、「あまりイメージできていない」(20.2%)「どちらともいえない」(20.8%)を合わせると50.5%がイメージしかねている状況。

   同協会では、中小企業の経営者の多くが自社に対するサイバー攻撃による具体的な被害をイメージできないことから、経営課題でも優先度が低くなっているとみている。

   なお調査は、2019年11月12日~15日にインターネットで実施。中小企業の経営者、役員計825人から回答を得た。

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