【SDGs大学長がゆく】「木」を生かす世界初の技術 金型メーカーのチヨダ工業が目指すSDGs

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「竹」の振動版を採用したスピーカー

   チヨダ工業の早瀬一明社長は、

「廃棄される木材、木質の再利用、放置竹林の活用などの森林資源の有効活用や、プラスチックごみの問題解決に向けて、この技術を世に知ってもらいたい」

   と言う。

   そのための製品として出したのが、竹の振動板を採用したスピーカー「Vuillaume homage(ビヨームオマージュ)」だ。さまざまな木質素材でスピーカーコーンを試した結果、竹素材が一番いい音が出るとわかり、音マニアもうならせるようなスピーカーに仕上がった。一昨年(2018年)10月から市販化している。

   その音のスゴさは直径8センチメートルの振動板でありながら、50~100人ぐらいが入ることのできる喫茶店や会議室などで、十分にその力を発揮することができる優れものである。

   この竹のスピーカーコーンは、木質流動成形の技術でしかできないものであり、従来のスピーカーコーンに使用されている紙と同じような薄さが実現できる。また、竹の特徴でもある「高剛性・高内部損失」を最大限に生かしたことで、バイオリンなどの弦を引くリアルな音まで再生を可能にした。

   そのでき上がりは、3年ほど前のプロトタイプを試聴した音マニアが、その場で「30万円で譲ってくれ」と申し出たというほど。現在、プロトタイプから幾度となく改良を重ねて、市販化したスピーカーは、音に詳しくない筆者でも音質の違いがわかるほどのでき栄えに仕上がっている。

竹の振動板を採用したスピーカー「Vuillaume homage」
竹の振動板を採用したスピーカー「Vuillaume homage」
清水一守(しみず・かずもり)
清水一守(しみず・かずもり)
一般社団法人SDGs大学 代表理事/公益財団法人日本ユネスコ協会連盟・ユネスコクラブ日本ライン 事務局長/英国CMIサスティナビリティ(CSR)プラクティショナー資格/相続診断士
日本大学文理学部を卒業。大学では体育を専攻。卒業後、家業である食品販売店を継ぐも新聞販売店に経営転換。地域のまちづくりとして中山道赤坂宿のブランド化を推進した。その後CSR(企業の社会的責任)の重要性を学び、2018年7月から名城大学で「東海SDGsプラットフォーム」として月2回の勉強会を開催中。SDGsを広めるための学びの場として2019年9月に一般社団法人SDGs大学を開校。現在、SDGs認定資格講座やSDGsイベントなどを開催中。
岐阜県出身、1960年生まれ。
一般社団法人SDGs大学
SDGsを広めるために、誰もが伝道師となるような認定資格講座を3段階で設定。SDGsを学ぶきっかけの資格としてSDGsカタリストから始まり、その上位資格としてのアドバイザー資格、さらにカタリストを育成するカタリストトレーナー資格を設け、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsを他人事ではなく、『ジブンゴト』としてとらえ、実践していけるようにSDGsの研究・周知・教育を行っています。校訓として学び・実践・達成・及人を掲げ、物心両面の幸せを追求し、真の『自分ごと』を探求できる学びの『場』として、誰もが参加ができるインラインによる「SDGs大学プラットフォーム」、「SDGsキャンプ」などのセミナー、イベントを提供しています。
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