【SDGs大学長がゆく】「木」を生かす世界初の技術 金型メーカーのチヨダ工業が目指すSDGs

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   名古屋市の東に位置する東郷町(愛知県)の工業団地の一角にあるチヨダ工業株式会社は、世界初の技術を世に送り出した。

   その技術は、本業である自動車関係のプレス品をメインに、金型の設計・製作・試作までを手掛ける金型メーカーとは異なる、独立した部門で開発されていた。生み出された世界初の技術とは、「木質流動成形」だ。

  • チヨダ工業の早瀬一明社長は、「森林資源の有効活用やプラスチックごみの問題解決に向けて、
この技術を世に知ってもらいたい」と語る。
    チヨダ工業の早瀬一明社長は、「森林資源の有効活用やプラスチックごみの問題解決に向けて、 この技術を世に知ってもらいたい」と語る。
  • チヨダ工業の早瀬一明社長は、「森林資源の有効活用やプラスチックごみの問題解決に向けて、
この技術を世に知ってもらいたい」と語る。

松・竹・梅の木片で「松竹梅」のおめでたいお猪口ができ上がる!

   ふだん、あまり耳にしたことがない「木質流動成形」だが、簡単に説明をすると、木質素材であれば、ある添加剤と熱と圧力で、プラスチックを加工するように自在に形を変形することができる、驚くべき技術である。

   従来の木質素材の加工は、単純に切って接着する方法、水蒸気加熱して求める形に少しずつ近づくよう固定をしながら成形をする「曲げ」と言われる方法や、ノミなどの道具を使い削り出し求める形にしていく方法がとられている。

   この技術は、木質の細胞壁間が添加剤と熱で滑り出す状態をつくり、そこに圧力をかける。その後、細胞は固定し木質が元来持っている、戻ろうとする力がなくなり、でき上がった製品は安定した形を保つこととなる。

   また、この技術は単体の木質を加工するだけでなく、複数の木質でも可能である。たとえば、松・竹・梅の木片を型に入れると、松竹梅のおめでたいお猪口ができ上がる。さらに現在燃料として使われているチップ材の活用も可能である。SDGsの目標の一つである「持続可能な資源(木質素材)」を使った、さまざまな場面に応用が利く。

   コスト的な問題は重要だが、プラスチック製品の代用が木質素材になることも十分に考えられるわけだ。

清水一守(しみず・かずもり)
清水一守(しみず・かずもり)
一般社団法人SDGs大学 代表理事/公益財団法人日本ユネスコ協会連盟・ユネスコクラブ日本ライン 事務局長/英国CMIサスティナビリティ(CSR)プラクティショナー資格/相続診断士
日本大学文理学部を卒業。大学では体育を専攻。卒業後、家業である食品販売店を継ぐも新聞販売店に経営転換。地域のまちづくりとして中山道赤坂宿のブランド化を推進した。その後CSR(企業の社会的責任)の重要性を学び、2018年7月から名城大学で「東海SDGsプラットフォーム」として月2回の勉強会を開催中。SDGsを広めるための学びの場として2019年9月に一般社団法人SDGs大学を開校。現在、SDGs認定資格講座やSDGsイベントなどを開催中。
岐阜県出身、1960年生まれ。
一般社団法人SDGs大学
SDGsを広めるために、誰もが伝道師となるような認定資格講座を3段階で設定。SDGsを学ぶきっかけの資格としてSDGsカタリストから始まり、その上位資格としてのアドバイザー資格、さらにカタリストを育成するカタリストトレーナー資格を設け、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsを他人事ではなく、『ジブンゴト』としてとらえ、実践していけるようにSDGsの研究・周知・教育を行っています。校訓として学び・実践・達成・及人を掲げ、物心両面の幸せを追求し、真の『自分ごと』を探求できる学びの『場』として、誰もが参加ができるインラインによる「SDGs大学プラットフォーム」、「SDGsキャンプ」などのセミナー、イベントを提供しています。
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