パラ五輪マラソン「金」射程! 練習環境が変わり「念願」が...... (三井住友海上火災 熊谷豊さん)

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4月のロンドンマラソンが「最終関門」

「推薦内定」を決めた北海道マラソンで、応援に駆け付けた同僚らと(前列右が熊谷さん、三井住友海上火災提供)
「推薦内定」を決めた北海道マラソンで、応援に駆け付けた同僚らと(前列右が熊谷さん、三井住友海上火災提供)

   三井住友海上火災はスポーツ振興の取り組みで知られ、女子柔道部、女子陸上部、トライアスロン部のほか、パラアスリートを積極的にサポートしており、現在パラアスリートは熊谷さんや米岡さんら5選手が社員として在籍している。会社として、それぞれの部にあった時間体系、勤務体系をつくっているという。

   熊谷さんは総務部に勤務し事務手続きを担当。前の会社がIT系なので、表計算ソフト、エクセルのVBA(プログラミング言語)の心得があり、これらのソフトを使う事務処理の効率化などを手がけている。会社での勤務終了後、夜まで練習。出勤前の「朝練」に加えてトレーニングの時間が増え、メニューも多彩になり、「時間的に有意義に過ごせるようになった。そこが一番違うなと感じる」と、熊谷さんは言う。

   練習場所は東京都北区の「味の素ナショナルトレーニングセンター」。パラリンピックマラソンが午前7時にスタートするのに合わせ、しばらく前からは出勤前の早朝にランニングをし、勤務後は筋トレの時間に充てて過ごしている。「強化指定A」を受けたことをきっかけに、住まいを横浜からトレセン近くに移すなど一層、練習に専念できる環境づくりを心がけている。

   三井住友海上火災に入社してから、マラソンのほか数々の大会で5000メートル、1万メートルのレースで優勝を重ね、東京パラリンピックの切符も目前だ。「会社全体がスポーツに理解があることを感じる。日曜日などに大会があると、月曜日には『おめでとう』『おつかれさま』と声をかけてくれる。(2019年12月の)福岡国際マラソンでは、悪天候にもかかわらず、支店の方々が応援にきてくれて心強かった」と言う。

   パラリンピックへの「最終関門」であるロンドンマラソンは、2年前の出場のときには3位に入賞した大会。今回については「普通に走れば(出場枠は)決まるのではないか」と自信を見せる。パラリンピックの「推薦内定」を得た北海道マラソン直後の2019年9月に結婚。その翌月には長女が誕生した。新しい家族のため、いつも応援してくれる会社の同僚らのため、ここまでの道をリードしてくれた人たちのためにも、今年の活躍を胸に秘めている。

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