「男性も育休でキャリアが中断すれば、男女平等になる」
また、おもしろいことに、家庭収入に関わる立場の違いで「義務化」の賛否に差が出た。家庭収入の主な支え手が、妻か夫かを聞いたうえで、「自分」(妻)と答えた人に賛否を聞くと、60.3%の人が義務化に賛成した。ところが、家計の主な支え手が「夫」と答えた人に聞くと、義務化に賛成する人は51.6%だった。9ポイント近く差が出たのだ=図表3参照。
この理由について川上敬太郎所長は、
「自分が家計を担っていると自覚している女性は、仕事への負担を大きく感じており、夫に育児を手伝ってほしいという気持ちがより強いのでしょう」
と説明している。
また、フリーコメントでは、「育休義務化に賛成」する人にはこんな意見があった。
「男性も育休でキャリアが中断すれば、男女平等になるのではという思いがある」(40代、団体職員)
「子どもが生まれてきてからが勝負だという事を、短い期間でも構わないからきちんと体感して欲しい」(40代、派遣社員)
「男性も子育ての大変さを知るべきだ。女性の産後うつが軽減されると思う」(30代、パート)
「義務化をしない限り、世の中全般の育児に対するスタンスが変わることはない」(40代、正社員)
「取りたくても取れない人も多く(うちの夫もそうでした)、その場合は国が介入し、ある程度法律に従わせないと取得は難しい」(30代・派遣社員)
「自分が取ることさえ第2子の時は言い出せず、退職した。男性もその苦しみを実感して欲しい」(50代、派遣社員)
また、経験者からこんな声も。
「夫が育休を取ってくれてだいぶ助かりました」(30代、パート)