「母親が日本人、口ひげの風貌が東条英機のようだ」
ハリス大使を、今回改めて旧日本帝国の朝鮮総督になぞらえる議論が韓国中に一気に広がったことで、ハリス大使の母国の米メディアの間でも「人種差別だ」と問題になっている。じつは、ハリス大使は2018年7月に韓国に赴任してきた時から「旧日本軍の朝鮮総督のようだ」と嫌われていたのだ。口ひげをたくわえた風貌と、その出自からである。ハリス大使の父親は元在日本米軍の兵士、母親は日本人女性だ。どちらかというと日本人に近い顔つきをしている。
いわば、ハリス大使の風貌、言動、出自が日本統治時代を想起させるというのであった。
ハリス氏攻撃の世論を、朝鮮日報(2020年1月18日付)「韓国与党支持者ら、『ひげが日本の巡査みたい』『ハリスを追放せよ』と非難」がこう伝える。
「韓国大統領府と政府、与党・共に民主党は1月17日、北朝鮮関連事業について『制裁順守』を強調したハリス大使を集中的に攻撃した。与党支持者らはハリス大使のひげについて『日本の巡査だ』と指摘するなど、ツイッターを通じて露骨な個人攻撃を始めた。ツイッターには『ハリスは日王(天皇)から旭日章を受け取って赴任した』『大韓民国を植民地と考えるハリスを追放せよ』などの書込みが広まっている。一方、北朝鮮メディア『わが民族同士』がハリス大使を『事実上の南朝鮮(韓国』総督』『南朝鮮をただの植民地としかみない態度』などと批判した」
北朝鮮までこの期に乗じて「ハリス叩き」に加わったのだ。しかし、こうしたハリス攻撃をニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、CNNなど米英などのメディアは一斉に批判している。
朝鮮日報(1月20日付)「CNN『ハリス大使が日系であることを問題視するのは人種差別』 韓国与党支持層の攻撃に『奇異な非難』」がこう伝える。
「米CNNは『ひげは顔に生えている毛に過ぎないが、韓国では日帝強占期のころの日本の指導者を連想させる』『東条英機元首相や裕仁天皇(昭和天皇)など戦時の日本の主なリーダーたちはひげを生やしていた』と報道した。さらにCNNは『韓国は人種的多様性がない単一民族社会で、外国人嫌悪症がよくある』と説明している。『ハリス大使は日本人ではなく、米国人だ。米国なら、彼のことを日本系の血統だと呼べば、間違いなく人種差別だと見なされるだろう』と報じた」