【日韓経済戦争】「まるで日本軍の朝鮮総督」韓国で広がる米大使叩き 米メディアは「人種差別」と激怒するが......

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   韓国でハリー・ハリス米大使に対する政府・与党・市民団体が一体となったバッシングが広まっている。

   米国との同盟関係にひびが入りかねないほど激しいものだが、その理由が「傲慢無礼で旧日本軍の朝鮮総督みたい」というもの。

   「口ひげ」をはやした風貌と母親が日本人という出自から、日本統治時代を想起させるというのだ。米国メディアは「人種差別だ」とカンカンだ。いったいどうなっているのか。韓国メディアで読み解くと――。

  • ひげの風貌が「日本の朝鮮総督みたい」と批判されるハリス米大使(ハンギョレ2020年1月18日付)
    ひげの風貌が「日本の朝鮮総督みたい」と批判されるハリス米大使(ハンギョレ2020年1月18日付)
  • ひげの風貌が「日本の朝鮮総督みたい」と批判されるハリス米大使(ハンギョレ2020年1月18日付)

「たかが大使の分際で内政干渉する傲慢無礼」

   いったいどうして米国のハリー・ハリス駐韓大使(63)が韓国中から袋叩き状態にあっているのか。ハンギョレ(2020年1月18日付)「社説:傲慢きわまりないハリス大使の『主権侵害』発言」が経緯をこう説明する。

   「ハリー・ハリス大使が1月16日、(ロイター通信など外国メディアを集めた)外信記者懇談会の席上で、『韓国が制裁を触発する可能性がある誤解を避けるためには、南北協力のためのいかなる計画も、米国との作業部会を通じて協議した方がいいと思う』と語った。韓国政府が推進している『北朝鮮個別観光』に面と向かって待ったをかけた発言だ。政府は即刻、『対北朝鮮政策は大韓民国の主権に該当する』とハリス大使の発言に反論したが、今後、南北協力事業推進に米国が干渉に出る可能性が大きいだけに、より一層明確な対応が要求される」

   北朝鮮への個別観光は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が年頭記者会見で意欲的に提示した目玉事業の一つだ。北朝鮮との経済協力を通じて国内経済を活発化したい文大統領にとって、個別観光は国際制裁に抵触しない。現に中国をはじめ、諸外国は北朝鮮観光を行っているではないか。個別観光を推進する過程で、米国に説明して理解を求めることはあるだろうが、基本的に米国が「ああしろ、こうしろ」と言う事案ではない、というのが韓国政府の立場だ。

   それなのに、米国政府でもない、一駐在大使の分際で、「制裁」という敏感な単語まで使ってこの問題に割り込むのは内政干渉だと、韓国政府や与党・共に民主党、さらに文政権支持の市民団体が一斉に激怒したのだった。

   ハンギョレが続ける。

「ハリス大使は、越権的で傲慢な発言について韓国国民に謝罪すべきだ。ハリス大使は今回の発言以外にも、何回も度を越える言動で韓国政府と国民の反発を呼んできた。去年(2019年)、GSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)問題が外交争点になった時、一方的に日本政府に肩を持つ発言で物議をかもした。イ・ヘフン国会情報委員長を大使公邸に呼びつけ、防衛費分担金50億ドルを出すよう圧力をかけた。与野党議員と会った席で文在寅大統領が『従北左派』(編集部注:北朝鮮に迎合する左翼グループ)に取り囲まれているのかという荒唐無稽な質問をしたりもした」

   韓国側から見れば、大使としての資質を疑わせる無礼極まりない人物だったのだ。さっそく政府・与党を挙げて集中攻撃に出た。

   大統領府関係者は1月17日、記者団に対し、ハリス大使の発言について「極めて不適切だ。南北協力は韓国政府が決める事案だ」と批判した。与党・共に民主党でも、南北協力事業に「制裁という物差し」を突き付けた内政干渉の威嚇発言だという批判の声があがった。ソル・フン共に民主党最高委員は「内政干渉発言は韓米同盟関係に役に立たない。遺憾の意を表明する」と述べた。また、ソン・ヨンギル共に民主党幹部は「文化放送」(MBC)に出演し、「ハリス大使は朝鮮総督のつもりなのか」と不快感をあらわにした。

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