ハリー王子夫妻は「賭け」に失敗したのか!? 王室離脱で待ち受ける「いばらの道」(井津川倫子)

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ハリー王子夫妻が逃れたかったのは王室ではなかった?

   じつは、ハリー王子夫妻の王室離脱は、数か月前から予兆がありました。

   最大のきっかけは、2019年秋にハリー王子とメーガン妃が起こした裁判騒動です。メーガン妃のプライベートな手紙をタブロイド紙が掲載したことに腹を立てて法的手段をとったのですが、王室メンバーがメディアを訴えるのは異例中の異例。この時点で英BBC放送のベテラン皇室担当記者は、

「メディアを挑発するだけだ」
「誰も止めなかったのか!」

と、警笛を鳴らしていました。

British tabloids are not afraid of a fight.
(英国のタブロイド紙は戦いを恐れない)
be afraid of:~を恐れない
They may feel provoked
(彼らは、挑発されたと思うだろう)
Did any of his advisers urge restraint?
(彼のアドバイザーの誰も止めなかったのか?)

   案の定、ハリー王子夫妻に宣戦布告をするかのように、英国内の報道はさらにエスカレートしていきました。ハリー王子は以前から「メディアとのつきあいが苦手(BBC王室担当記者)」で、兄のウイリアム王子とは対照的にメディアへの敵対心をあらわにしてきました。

   「戦いを恐れない」英国のタブロイド紙は、敵とみなした相手には容赦なく襲いかかります。「離脱以外に選択肢がなかった」と語ったハリー王子ですが、本当に望んだのは王室ではなく「英国メディアからの離脱」だったのではないでしょうか。

   ところが、世の中、そうは甘くありません。「英国王室」の保護下を離れたとたん、メディアは遠慮なく牙をむき出しにします。さっそく英タブロイド紙が、カナダで散歩中のメーガン妃を「盗み撮りした」写真を掲載したとして騒動に。夫妻は「必要ならば法的手段を取る」と声明を出しましたが、数か月前にベテラン皇室記者が予告したように、メディアとの大戦争は王室の保護を離れた「これからが本番」なのです。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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