転職を目指す際の要確認事項
転職を志す人たちが、すべて給与水準のアップを目指しているわけではもちろんない。望みと合致する転職ならば、収入面で多少の犠牲を払ってもという人もいよう。もっとも、本書によれば、望んだからといって年収が必ず上がるわけではなく、上がる理由があれば下がる理由もあり、それらは、転職者の市場価値と連動している。
たとえば、同じ経験や技術を持った人がいない会社ならば、転職者は高く買ってもらえる。ただ、この「オンリーワン採用」では、転職者は、より高い給料をとりに行くという動機より、成果へのコミットこそが給与水準を上げていく最大のポイントであること忘れてはならないと、著者は注意を促している。
ほかに、今の仕事内容にスキルを一つ掛け合わせて売り込むことも、年収アップを目指す転職では有効という。「営業+英語コミュニケーションスキル」や「ITエンジニア+スキル教育のエキスパート」などの組み合わせだ。前者では営業キャリアを歩み、そのなかで海外勤務の機会があり英語スキルが身に付いた人物が、後者では、部下の育成経験が豊富なエンジニアが想定される。研修講師として引っ張りだこになった例がある。
「掛け合わせ」により、自身でも思ってもみなかったような市場価値を見出すことがあるという。「年収を上げる転職を目指す際に、是非確認したいところです」と著者。
「年収が上がる転職 下がる転職」(山田実希憲著) すばる舎
山田実希憲著
すばる舎
税別1500円