株式市場には、「アノマリー」と呼ばれる、理屈では説明のつかないさまざまな経験則が存在するといわれている。SMBC日興証券の説明によると、アノマリーとは「現代ポートフォリオ理論や相場に関する理論の枠組みでは説明することができないものの、経験的に観測できるマーケットの規則性」のことだ。
今回は、数ある株式市場のアノマリーの中でも、最も有名で不可思議なものの一つとして知られる、「ジブリの呪い」を紹介したい。
ジブリ作品のアノマリーを検証したら......
一般に、スタジオ・ジブリといえば、「天空の城ラピュタ」や「紅の豚」といった、数々の名作を生み出してきたアニメ制作会社を思い浮かべるだろう。
しかし、それが株式市場の話となれば、少し事情が変わってくる。なんとも不吉な、「ジブリの呪い」の存在である。
「ジブリの呪い」は、米国の金融紙であるWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙でも紹介されたことのある、当たっているかもしれない不可解な株式市場の法則性のことだ。この都市伝説によると、ジブリ作品の放映される日の夜は、株価や為替相場が荒れる(株安・円高になりやすい)ことが多いという。
この都市伝説は2006年頃からインターネットの掲示板を通して広まり、リーマン・ショックのあった2008年から約5年間は、特に的中率が高いことで知られたアノマリーの一つだ。とりわけ、ジブリの放映日が米国の雇用統計と重なる日は、多くのトレーダーが注目しているようだ。
ちなみに、WSJ紙の記者はジブリ作品を放映する日本テレビの広報担当者にコメントを求めたものの、回答を拒否されてしまったとされる。
それにしても、なぜこのような噂が広まったのだろうか。もし本当に「ジブリの呪い」が存在するのなら、いったいどんな背景があるのか。検証してみた。