「人手不足や業務多忙で手が回らない」
働き方改革に積極的な企業が、取り組みで最も重視する目的は、「従業員のモチベーション向上」が32.4%でトップ。次いで、「人材の定着」の20.2%、「生産性向上」の13.5%と続いた。また、「従業員の心身の健康」(11.4%)など、従業員への影響を重要視している傾向がみられる。
企業からは、
「従業員の自主性を重んじつつ、心身の健康を最大限配慮して、働きやすく自己向上できる職場づくりを目指していきたい」(経営コンサルタント、東京都)
といった前向きな意見が聞かれたほか、
「従業員のモチベーションが上がり、生産性が上がり、やがて企業のイメージ向上へと繋がっていくと考えている」(医薬品卸売、大阪府)
「人材の採用へ向けて休日の増加に取り組んでいる」(一般土木建築工事、岩手県)
といった意見があがった。
一方、取り組んでいない理由(複数回答)では、「必要性を感じない」が34.2%で最も高く、「効果を期待できない」の25.4%が続く。必要性や効果に、懐疑的である様子がうかがえる。
また、「人手不足や業務多忙のため、手が回らない」(22.4%)というように、取り組みへの難しさがあるようで、なかでも中小企業からは、
「資金力、余剰人員の問題、人材などが異なる大企業と中小企業を同じ法律で縛るのは厳しいのではないか」(アルミニウム製品製造、東京都)などの声が寄せられている。
「中小企業にとっては導入したくてもできない状況」(プラスチック材料卸売、東京都)
「働き方改革を進めて魅力ある企業にしなければならないことはわかっているが、人手不足や業務多忙のために手が回らないのが現状」(一般土木建築工事、長野県)
「本来は従業員間で業務量に差が生じないようにすべきだが、取引先との関係や個人の能力を考慮すると難しい」(生鮮魚介卸売、愛媛県)
「有給休暇を消化するタイミングが難しい。休むと今度は工事が滞ってしまう」(一般土木建築工事、岩手県)