仕事をうまく回したい! それなら自分の「キャラ」を正しく理解してもらおう (高城幸司)

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   仕事におけるコミュニケーションは原則として、誰かを動かしていくことを目的としています。プライベートなら「ちょっと聞いてよ」と、文句や自慢など言いっぱなしのコミュニケーションも相当数あります。が、仕事では、

「では、私がこの仕事をやりましょう」
「あとは任せていいですか?」

と、仕事上の動きが生まれることが前提です。つまり、相手の了解を得ることが前提にあります。

了解を得るための話し方や、身振り手振り、そこに出てくるちょっとした一言に、その人の「キャラクター」というものが現れます。こうして仕事上のコミュニケーションが、その人の人物評価につながるのです。

  • 自分の「キャラクター」を理解してもらえていますか?
    自分の「キャラクター」を理解してもらえていますか?
  • 自分の「キャラクター」を理解してもらえていますか?

部下が上司に仕事を頼む「ほどよい言い方」

   たとえば、上司が部下に仕事の指示をするときに、「これ明日中にやっておけよ。いいな」というようなトップダウンの言い方だと、強引な仕事キャラになりますよね。逆に気を遣い過ぎて「大丈夫かな?」と、過度な念押しがあると、心配性のキャラに見えることでしょう。

   同様に、部下も上司に仕事上で要望することがありますが、その際のコミュニケーションにおいても、キャラ設定は重要なのです。

   ちなみに、部下が上司に依頼することを「ボス・マネジメント」と言います。組織における一般的なマネジメントの概念とは逆に、部下が仕事の目的を達成するために上司を動かす、という考え方を表す言葉です。部下が上司に対して能動的かつ戦略的に働き掛けることで、自らが仕事を進めやすいように上司をうまくコントロールしたり、相手から積極的な支援を引き出したりするためのコミュニケーション手法や環境づくりの技術を指します。

   ボス・マネジメントするため上司に仕事を頼むなら、失礼極まりなくもならず、かといって上司に委縮してビビってもいない、「ほどよい言い方」で頼みたいものです。

自分の思い、相手に伝わっていますか?

   その「ほどよい」コミュニケーションのできる「仕事キャラ」を設定してみましょう。 たとえば、

毅然とした態度をとる。
頼む理由を説明する。
具体的に何をしてほしいのか明示する。

   これらを得意とする「仕事キャラ」が、一番有効と考えます。これらは、私が実際に多くの上司に取材した結果、部下から頼まれるときにお願いしたい項目の最大公約数です。もちろん例外もあるでしょうが、ぜひ参考にしてみてください。

   みなさんが、ふだん職場で何気なく使っている言葉や接し方といったコミュニケーション全般によって、仕事上のキャラクターは、必ず確定しているはずです。

   世の中にはごく一部、とても器用な人がいて、職場の状況に応じてキャラクターを使い分ける人がいます。しかし、多くの人たちは一つのキャラクターしか持っていません。そして、誰に聞いても、その人の特徴は共通しているものです。

   たった一つのキャラクターが、日々の何気ないコミュニケーションで決まってしまっているのです。そのコミュニケーションが、自分の思いどおりに伝わっていないとしたら、それほど最悪なことはないのではないでしょうか。

   コミュニケーションをとる際に、「よかれ」と思ってやっていることが裏目に出ているケースは、意外と多いものです。そうならないためにも、自分という「キャラクター」がどのように思われたいか、そう思われるために使っているコミュニケーションのとり方が本当に正しいかどうかを、検証したほうがいいでしょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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