あっきんです! 33歳で某県庁を早期退職しました。理由はいくつかあるのですが、大きくは収入の不満でした(笑)。
銀行員は公務員より年収が高いというのは噂には聞いていたものの、ここまでとは思いませんでした。特にボーナスが......。
週5日、終電の日々
ぼくが公務員を辞める年度のボーナスは45万円ほどだった。一方、ひとつ歳上の妻、ひろこはというと銀行員で営業をしている。いわゆる総合職だ。彼女のボーナスは90万円ちょっとだった。
ぼくは毎度毎度忙しい部署に配属されていた。最後の配属先では週5終電ということもザラだった。帰ると保育園に通う二人の子どもたちも妻も寝ている。当然だ。深夜1時を過ぎている。
風呂に入り、コンビニで買ってきたおやつを軽く食べる。夕飯は職場で、コンビニ弁当で済ませてある。
翌朝は6時30分に起きる。ようやくこのとき、動く子供たちが見られる。でも、ゆっくりしている暇はない。大人のご飯は5分ほどで済ませ、子供たちに朝食を食べさせないといけない。
大人のように、ササッと食べてはくれない。
毎朝、「早く食べなさい!」と怒るのが嫌だったから、なるべく早く起こして朝食の時間を確保するようにしていた。妻は7時30分には家を出る。銀行員の朝は早いのだ。
ぼくは子供たち二人を保育園に送り届け、仕事にいく。保育園のお迎えは妻が定時退社をすれば、ギリギリ18時には間に合う。まさに綱渡りの毎日だった。ぼくは自分の仕事にほこりを持っていた。大きなプロジェクトに携わることができていたからだ。忙しい分、しっかり残業代は出た。
残業ばかりの夫と残業ゼロの妻、その年収は......
妻は、残業はできない。ぼくはこれでもかというぐらい職場にいた。拘束時間だと雲泥の差だ。それでもぼくのボーナスは妻の半分だ。悔しいとかはない。もう慣れているから。ただ、勤めた先が公務員か銀行員かという違いだけでこうも収入が違うものか? と考えさせられることがしばしばあった。
資本主義だから当たり前なのはよくわかっている。でも、自分が思い描いた公務員は、「給料はそこそこで定時退社」という待遇だ。こんなにも残業があるとは思わなかった。でも、どれだけ残業しても残業ゼロの妻に年収では到底かなわない。
でも、ぼくの周囲には優秀な職員がたくさんいた。彼らを見るたびになんでこんなにも優秀なのにこれだけの給与しかもらえないのか? 疑問でしかなかった。飲み会の席ではしばしば給与の話になることはあったが皆一様に「しゃーないよなー。飲もう」って感じだった(笑)。
そう。サラリーマンって、どんな苦境も耐える。まして給与なんて構造的な問題だから、不満を言ったところでどうしようもない。そんな苦境を耐えて耐えて耐え抜くのがサラリーマンの宿命なのかなと感じた。
ぼくはそれが耐えられなかった。
だって世の中、公務員しか仕事がないわけじゃない。働き方なんていくらでもある。公務員になる前は公務員こそがぼくが進むべき最善の道だと思っていたが、いつしかそんな思いはなくなっていた。
むしろ、これだけ家族を犠牲にして職場に長時間いる自分ってなんなんだろう? って思った。家のことなんてまるでできていない。
このままいけば組織では評価されるかもしれない。でも、一人の父親としてみた場合に、いったい何点なんだろう? って通勤電車に揺られながら何度も考えた。
「パパは毎日遅くまで仕事がんばって、お金稼いでくれてるから!」
って、もし仮に子供が言ってくれたとしよう。でも、ぼくは子供にこう言わなくちゃいけない。
「いやいや。ママもお仕事頑張ってるよ。ママのほうが少ない時間でパパよりたくさんのお金を稼いでるんだよ。しかも家事もやってくれてるし(汗)」
こんな妄想をしていると、ぼくはふと外の世界を見てみたくなった。だから公務員を辞めようって思ったんだ......。
ぼくが公務員を辞めようと決めて、妻に打ち明けた話はここに。
「『公務員を辞めたい』突然、そう言った33歳夫 妻が出した条件は!?」(J-CAST会社ウォッチ 2019年7月30日付)
(あっきん)
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