米国とイランの軍事衝突で幕を開けた2020年。インターネットでは、「第3次世界大戦」がキーワードとなり、跳ね上がったものの、トランプ米大統領の声明などを受けて中東情勢の警戒感が後退したことでドル売りもひと息ついた。一方、中国の劉鶴副首相が1月13日から訪米。15日には米中通商協議の「第1段階」合意文書に署名する方向で、引き続き相場を支えることが期待される。
乱高下のあと......。どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 地政学リスクで神経質な展開
日経平均株価予想レンジ:2万3500円~2万4000円
2020年1月10日(金)終値 2万3850円57銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、神経質な展開のなか、もみ合いが予想される。
前週の日経平均株価は、乱高下の展開となった。米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を爆撃により殺害し、イラン側が報復措置として駐イラク米軍基地へのミサイル攻撃を行ったことで、中東の地政学リスクの高まりを受け、大発会から日経平均株価は大幅に下落した。
しかし、イランのザリフ外相の「事態激化や戦争を求めていない」との発言や、トランプ米大統領が会見でイランとのさらなる対立激化を望まない姿勢を示したことで、中東の地政学リスクが後退し、日経平均株価も大幅な反発となった。
今週の日経平均株価は、中東の地政学リスクがくすぶっていることから、神経質な展開のなか、もみ合いが予想される。米国とイランの対立激化は回避された格好とはなっているが、未だに一触即発の状況だ。半面、15日に米中貿易協議の第一段階合意が予定されており、株価には好材料として働くだろう。10日に発表された12月米雇用統計が市場予想を下回ったことから、今週も米国の経済指標には注意が必要だ。中東問題、米中貿易協議、米国景気などの材料に対して、神経質な展開となりそうだ。