将来は高度サービス産業に
こうした現状分析から本書は、「日本の将来を担う産業は何か?」へとテーマを転じ、将来を託せる産業を探る。かつて日本が世界を制した半導体産業にみられるように、製造業は衰退している。注目すべき産業として取り上げられているのは、高度サービス産業。ファイナンスや保険、科学・技術的サービス、コンピューターのシステムデザインとその関連サービスなどで、米国では急成長しており、製造業より規模が大きくなり経済を牽引しているという。
製造業が新興国に移行し、先進国では縮小していくなかで、先進国が成長を続けていくためには高度サービス産業へ軸足を移すことは必然の変化とされる。
「野口悠紀雄の経済データ分析講座 企業の利益が増えても、なぜ賃金は上がらないのか?」
野口悠紀雄著
ダイヤモンド社
税別1600円