韓国の動きを察知して輸出規制を緩めた日本政府
じつは、こうした韓国側とデュポンの動きを察知したのか、日本の経済産業省は昨年暮れの12月20日、3品目のうちレジストの韓国向け輸出規制を一部緩和した。世界市場の90%を独占しているとはいえ、韓国への輸出規制を長期間続けると自国企業にも打撃となる。記者団から日本政府がこうした措置を取ったことについて聞かれたソン・ユンモ産業部長官はこう胸を張った。
「(レジストの規制緩和は)日本の輸出規制措置を解決するうえでは一部進展があった。しかし、根本的な解決策とは見なしがたい。主要な材料や部品に関する技術競争力確保と供給元の多角化に引き続き取り組んでいく」
と強調したのだった。
日本が今さらきつく絞っていた水道の蛇口を少し緩めたとして、もう日本の水(素材・部品)には頼らない。しばらくは日本の水を飲むかもしれないが、国産化とデュポンをはじめとする他国からの供給多角化を加速させていく。いずれ日本の水を飲まない日が来るというわけだ。
その一環としてソン長官は記者団にこんな新たな計画も明らかにした。ハンギョレ(1月10日付)が伝える。
「1月9日、私たちはシリコンバレーで韓国投資に関心を持っている米国の投資家たちを対象にしたラウンドテーブルを主宰した。半導体や自動車、水素経済、再生エネルギー、情報技術(IT)、ベンチャーキャピタル分野の企業10社を招待し、韓国政府の水素経済活性化のロードマップや、主要な素材・部品・装備の競争力強化対策などに対する説明をし、韓国への投資誘致のための支援政策などを広報した」