2021年3月に卒業予定の大学生(現3年生)に、最も人気が高かったのは、伊藤忠商事だった。例年どおりの人気企業が並ぶなか、スポーツメーカーやゲーム関連の躍進ぶりが目立つ結果となった。
2021年卒から、いわゆる「就活ルール」が廃止され、政府主導へと枠組みが変化するなか、学生の企業研究、情報収集の動きはますます早期化傾向となっている。そのため、就職支援の株式会社学情が「就職人気企業ランキング」を2018年より3か月早く、19年12月23日に発表した。
伊藤忠商事「働き方改革」を学生が評価
調査によると、トップは2年連続で伊藤忠商事だった。2018年に続き、「働き方改革」への積極的な取り組みが、学生の好感を集めているようだ=下表参照。
また米中貿易摩擦の影響があるものの、依然として総合商社の業績はよく、4位に丸紅(18年7位)、14位に三菱商事(同11位)、50位に住友商事(同46位)と、50位までに4社がランクインしている。
2位は旅行・ホテル・ブライダル業界のJTBグループ(18年3位)。同じ業界の、エイチ・アイ・エス(H.I.S)も、2018年の6位から順位を上げ、5位にランクインした。
3位は食品業界の味の素(同2位)だった。「食品メーカー」の人気は依然として高く、6位にもアサヒ飲料(同8位)など、トップ50に13社が入った。
一方、2018年から大きく順位を上げたのは9位の任天堂(18年107位)。他にも「スポーツ・ゲーム・その他メーカー」業界からは19位にアシックスグループ(同198位)、27位アディダスジャパン(同227位)など、トップ100に10社がランクインした。
昨年のラグビーワールドカップでの熱狂や、2020東京五輪・パラリンピックの開催。また、近年注目を集めるeスポーツ業界の将来性への期待も影響しているようだ。
なお、調査は2021年3月卒業予定の全国大学3年生、大学院1年生6572人を対象に、2019年6月1日~12月7日に選択式(最大5社)で実施した。