「熱しやすくて冷めやすい」といわれる韓国の国民性にしては、昨年(2019年)7月の日本の輸出管理強化以降、半年間も続いてきた日本製品不買運動。それが、ようやく沈静化の兆しを見せてきたようだ。
不買運動の象徴だったカジュアル衣料大手「ユニクロ」製品と日本車の売り上げが、ほぼ不買運動以前の水準に戻ったというのだ。韓国紙から読み解くと――。
人目のないオンラインの客が回復
ユニクロの復調ぶりを聯合ニュース(2020年1月5日付)「韓国の日本製品不買運動『下火』か ユニクロなどのアプリ利用者増加」がこう伝えている。
「韓国で広がった日本製品の不買運動が下火の兆候を見せている。象徴的なターゲットとなったカジュアル衣料品店ユニクロなど日本ブランドのモバイルアプリの利用者数が、不買運動が起きる前の水準をほぼ回復したことが1月5日、わかった。アプリ分析などを手がけるアイジーエイワークスによると、ユニクロアプリ(アンドロイド版)の昨年11月の月間利用者数(MAU)は68万8714人となり、不買運動以前の上半期(1~6月)の平均(71万1924人)に迫った」
これは不買運動以前の97%にまで回復したことになる。ユニクロアプリ利用者は不買運動が本格化した昨年9月には27万6287人(39%)にまで落ち込んだから、急回復ぶりがうかがえる。生活雑貨店「無印良品」のアプリの月間利用者数も昨年9月に2万9008人まで落ち込んだが、11月に4万4672人、12月に4万5523人に増加し、上半期の平均(5万4628人)の83%まで回復した。
いったいどうして不買運動が収まりつつあるのか。聯合ニュースはこうした見方を紹介している。
「不買運動はオンライン市場にも大きな影響を与えたが、時間が経つにつれて話題性が薄れ、反日ムードは沈静化しているとの見方が出ている。デジタルマーケティング業界の関係者は『オンラインの消費環境は周りの目を意識せざるを得ないオフライン店舗とは違う。ユニクロの場合、主力商品のヒートテックのセールなど、年末の攻撃的なマーケティングもアプリ利用者数の増加を後押しした』と分析した」
ユニクロは昨年11月、6日間にわたって最大50%もの割引に加え、なにか1つでも商品を買うとヒートテックを無料でつけるという大出血セールを行った。韓国中のユニクロ店舗が押すな押すなの盛況となり、10万枚のヒートテックが即日でなくなった。当時、多くの韓国紙が、
「おまけ下着セール」
「ずる賢いマーケティング」
などと批判し、行列に並ぶ韓国国民に対して、
「愛国心がないのか。日本のメディアが喜んでいる」
と訴える識者のコメントを載せるところもあった。