2019年の上場企業倒産は、1月に民事再生法の適用申請があった1件にとどまり、負債額は平成の31年間の上場企業の負債では9番目に小さい規模だった。信用調査会社の東京商工リサーチが2019年12月27日に発表した。
パン・ラスク製造の「シーベル」のみ
民事再生法の適用を申請したのは、パン・ラスク製造で知られる菓子メーカー、シーベル(山形市、JASDAQ)。2019年3月に、山形地方裁判所から民事再生法に基づく再生手続きを始める決定を受けた。負債は19億5900万円。
19年は元号が平成から令和に変わったが、シーベルは平成最後の上場企業倒産となった。令和になってからは上場企業の倒産は発生していない。東京商工リサーチによると、平成初の上場企業倒産は、1991年8月に会社更生法を申請したリースマンション分譲のマルコー(負債2777億4000万円、店頭上場)。
平成時代の上場企業倒産は234件、負債総額は21兆9106億円。リーマン・ショックがあった2008年には最多の33件が発生し、翌09年にも20件発生した。11年以降は急激に沈静化し、17年は2件、18年は1件だった。