東京株式市場は2019年12月30の大納会で、日経平均株価の終値が前日より181円10銭安の2万3656円62銭となり、最後の取引を続落で終えた。しかし、1年を通してみると、2018年末の終値、2万14円77銭と比べて3641円(18%)高で終えた。年間ベースでの上昇は2年ぶり。さらに、年末の終値としては1990年以来、29年ぶりの高値だった。
とはいえ、足もとには懸念材料が転がっている。米中貿易協議や英国のEU離脱のゆくえ、さらにはイラク、シリアでの米国による親イラン派への爆撃......。それにより、外国為替市場は早くもドル売りに動いている。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 利益確定売りが続くかも......
日経平均株価予想レンジ:2万3500円~2万4000円
2019年12月30日(月)終値 2万3656円62銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、底固い動きだが、上値も重い展開か。
前週の日経平均株価は、2019年12月30日の大納会では、目先の利益確定売りが優勢となり、安値引けとなった。
今週の日経平均株価は、1月2日の米ニューヨーク株式市場が大幅に上昇し、ダウ平均株価が史上最高値を更新したことで、上値を試す展開が考えられる。また、外国人投資家は1月から新年度入りするため、新規の買いも期待できそうだ。
ただ、日経平均株価を大きく押し上げる材料には欠け、引き続き利益確定売りも予想されることから、上値は重い展開となりそうだ。
東京外国為替市場 1ドル=108円台でもみ合いか!?
ドル・円予想レンジ:1ドル=107円80銭~108円50銭
2019年12月30日(月)終値 1ドル=108円86銭
2020年 1月 3日(金)終値 1ドル=108円08銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、1ドル=108円台でのもみ合いか。
前週のドル円相場は、米国防総省がイラクとシリアで、イスラム教シーア派組織(親イラン派)の活動拠点を爆撃したことにより、中東の地政学リスクが高まり、リスク回避のドル売りによって大幅なドル安・円高の動きとなった。
今週のドル円相場は、1ドル=108円台でのもみ合いとなりそうだ。引き続き、中東の地政学リスクの高まりにより、ドルの上値が重い展開となりそう。ただ、中国人民銀行が金融機関の預金準備率を引き下げる景気支援策を実施。米中貿易協議の進展もドルの下支え要因となっており、ドルは底固い動きとなりそうだ。
10日には米国の12月雇用統計が発表予定で注目される。
経済指標は、国内では10日に2019年11月の景気動向指数などが予定されている。
海外では、7日に11月の米国の貿易収支、8日に12月の米ADP雇用統計、9日に12月の中国消費者物価指数、10日に12月の米雇用統計などが予定されている。
(鷲尾香一)