【BuzzBiz2020】広がるSDGs意識 企業はもちろん、消費者にもできる「食品ロス削減」

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天気予報で商品需要を予測、「ラベルテープ」で食品ロスを削減

   農林水産省と環境省の調べによると、日本の食品ロス量の年間643万トンのうち、規格外や返品、売れ残り、食べ残しなどの事業で生じる食品ロスは352万トンで、食べ残しや手つかずの食品(直接廃棄)、皮の剥きすぎ(過剰除去)、消費(賞味)期限切れなどを要因とする家庭の食品ロスは291万トンになっている。

   いずれにしても、この600万トン超の食品ロスを、企業と消費者が減らしていかなければならない。

   日本気象協会は、天気予報で培った最先端の解析技術で商品の需要予測を行い、食品メーカーでの生産量の調整や小売店での仕入れの見込みをサポートするサービスで、食品ロスの削減をサポートしている。

   気象データをもとに、小売店からの発注量を予測してメーカーが商品を事前に生産する「見込み生産」から、小売業者の発注を受けてからの「受注生産」に変更することで、サプライチェーンの食品ロスを削減する活動だ。

   小売業向けの商品需要予測サービス「売りドキ!予報」も展開。商品の売れ時を事前に把握し、商品の製造量や仕入れ量を調整することによって、食品廃棄を防ぎ地域環境の保全にも貢献するとしている。

   日本気象協会によると、2017年に「商品需要予測事業」を開始。気温の変動や季節により異なる、人間の暑さへの感じ方を表した「体感気温」をSNSの気温に関する「つぶやき」データを基に数式化して、精度の高い需要予測を実施。その結果、寄せ豆腐で約30%、冷やし中華つゆで約20%の食品ロス削減を実現したという。

   絆創膏や野菜を束ねるテープなどを製造するニチバンは、「『美人冷蔵庫』収納術で、食材を使い切ろう!食べ切ろう!」と、呼びかける。食品ロスの削減につながるラベルテープを開発。冷凍食品の袋やスナック菓子の袋などの仮止め、密封用として使ったり、食品保存容器やフリーザーバッグの中身や日付などを表示したり、メモ用として使ったりと、ラベルテープを使った「美人冷蔵庫」収納術で、冷蔵庫の「見える化」による食品ロスの削減を提案している。

   流通大手のイオンは「3R(Reduce、Reuse、Recycle)」の手法を用いて、廃棄物ゼロを目指している。2025年までに、食品廃棄物の半減を目指す数値目標を掲げ、また10月を「食品ロス削減月間」の取り組みとして、消費者への啓蒙活動を強化している。プライベートブランド商品の賞味期限の年月表示化や、保存容器による食品ロスを出さないライフスタイルを提案する。

   また、セブン&アイ・ホールディングスは10月の「食品ロス削減月間」に合わせて、食品ロス削減に向けたキャンペーンやイベントをグループ各店(約400店舗)で実施。食品ロスの約半分は家庭から出ていることを受け、消費者といっしょに食品ロスについて考える。家庭の食品ロスの削減支援として、「エコレシピ」の配布や調理実演などを実施する。

   エコレシピは、食材を最後まで使いきることで、ゴミも少なく、環境にも経済的にもやさしいと訴求。店舗スタッフが、長年培ってきた知恵や工夫を生かして食品を使いきれるレシピを考案する。食品の保存方法などのミニ知識も紹介している。

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