「克日」のためには理工系学生の兵役免除はやむを得ない
さて、その注目の結果は――。
中央日報(2019年11月21日付)「BTSの軍免除はない...『安倍効果』で理工系兵役特例は維持」が、Kポップファンにとって無情の結末をこう伝えている。
「韓国政府が11月21日に発表した代替服務制(兵役免除特例制度)改善計画で、安倍晋三首相が韓国の科学技術界と産業界を助けた。大幅縮小の方向で改善が進められてきた理工大修士・博士級の兵役特例がほとんどそのまま維持される。BTSなど国威宣揚に大きく寄与した大衆文化芸術家を特例の対象に含めるべきだという一部の世論は受け入れられなかった」
これまでは、経済界の発展のために、理工系大学院生で一定のレベル以上に達した学生は兵役を免除されてきた。ところが、兵士の人員激減という現実を前に、背に腹は代えられず、彼らもかなりの割合で免除の対象外にする案が固まっていた。兵役に就くと、21か月(2020年6月からは19か月)入隊することになる。体が弱くて軍事教練に耐えられない者も、同じ期間を公的機関(福祉施設など)で服務活動をしなくてはならない。
ところがその後、2019年7月に日本の安倍晋三政権が半導体部品の輸出管理強化という挙に出た。半導体部品の国産化を急がなければならない事態に陥った。このため、理工系大学生の兵役免除がほぼ維持されることになったのだ。
中央日報はこう続ける。
「確定した見直し計画によると、理工大学博士課程の専門研究要員定員(免除枠)は現行の1000人を維持する。また、修士課程は現在の1500人から20%(300人)減の1200人に縮小する。全体の人員は減るが、緊急性が要求される半導体の素材・部品・装備関連分野の中小・中堅企業に配置される人員はむしろ増やすという」
最初の案では、免除枠が半分以上は減らされるとみられていたから、理工系大学生たちはほっと胸をなでおろしたことだろう。今回の措置について、科学技術情報通信部(日本の科学技術庁に相当)のク・ヒョクチェ未来人材政策局長はこう語っている。
「(兵役免除枠の)専門研究要員制度はこれまで、兵役資源の減少と公平性の問題のため大幅に縮小する方向で進められてきた。しかし最近の日本の輸出規制事態を受け、半導体の素材・部品・装備分野の支援策を用意するため、高級理工系研究人材の養成が国家的な課題という共感が国民の間で形成された」
兵役の免除は公平、平等の面から非常にデリケートな問題だ。だが、「克日」という一点でまとまった国民世論にあって、「理工系大学生の優遇はやむなし」という共感が得られたというのだ。