【日韓経済戦争・番外編】「安倍首相ありがとう!」韓国理工系学生が喜び、「BTS」が泣いた兵役免除 明暗のワケは?

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   すべての成人男子(19歳以上)が兵役に就くことになっている韓国で、兵役免除の特例をめぐって泣き笑いが起こっている。

   世界的に大人気で国威発揚に大いに貢献したKポップグループ「BTS」(防弾少年団)が兵役に就くことになり、一方、理工系大学生の兵役免除の優遇措置は残った。

   大学生たちは「安倍首相ありがとう!」と感謝しているという。いったいどういうことか。韓国紙で読み解くと――。

  • 「安倍効果」で理工系学生の兵役特例維持と報じる中央日報(2019年11月21日付)
    「安倍効果」で理工系学生の兵役特例維持と報じる中央日報(2019年11月21日付)
  • 「安倍効果」で理工系学生の兵役特例維持と報じる中央日報(2019年11月21日付)

BTSの経済効果は5兆円、平昌五輪4兆円を超える

   韓国の少子化の急速な進行ぶりは日本をも上回る。女性が一生に生む子どもの数を表す「合計特殊出生率」が2018年、ついに0.98になり初めて1を割った。少子化が深刻といわれる日本でさえ1.42だから、いかに凄まじいかがわかる。

   「西暦2750年、韓国人は最後の1人が死んで地上から消える」――韓国の行政機関、国会立法調査処がこんな発表をしたのは2014年8月のことだが、それをも上回るペースで人口が減っているのだ。

   北朝鮮との全面戦争の危機を抱える韓国軍にとって、兵士になる若者の数がどんどん減ることは大問題なのだ。その一方で、徴兵制度には兵役免除の特例優遇措置がある。産業・経済の維持に欠かせない人材、スポーツ・芸術の分野などで国威発揚に貢献した人物などだ。そこで、韓国政府は2019年11月に1年以上の論議をかけて特例優遇措置を見直すことにした。兵士の減少を防ぐために兵役免除対象を大幅に減らしたのだ。

   その際、世論が大きな関心を寄せたのは、国民に人気のあるKポップグループを兵役免除の対象に入れるかどうかだった。これまで「芸術分野」で優遇措置を受けてきたのはクラシック音楽家や伝統芸能の人たちだったからだ。「東方神起」や「JYJ」などのメンバーが入隊するたびに「彼らの方が外貨を稼ぎ、国家に貢献している」という世論が巻き起こった。

   特に今回注目を集めたのは、BTSが兵役免除になるかどうかだった。BTSが今後10年間に誘発する経済効果は約56兆ウォン(約5兆円)と推定され、2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の経済効果の41兆ウォン(約3.9兆円)を超えるという調査結果が韓国のシンクタンクから出ていたからだ。

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