2020年夏、東京五輪・パラリンピックがやって来る。それに伴い、街は多くの外国人旅行者で溢れるはずだ。
年々増えている外国人旅行者は、2019年1~10月の累計で2691万人(前年同期比3.1%増)(日本政府観光局調べ)。ラグビーワールドカップが開かれたこともあり、ターミナル駅では、「丸の内は?」「スタジアムは?」「横浜は?」などと、道を尋ねられた人も少なくなかったはず。カタ言の英語に、身振り手振りで案内してみたものの、通じているか不安になった人もいるだろう。
そんなときに役に立ちそうなのが、「音声翻訳機」。今夏は活躍の場面を、多く目撃しそうだ。
音声翻訳機「ポケトーク」世界シェア1位に!
駅のホームなどで、日本人の乗客に行先を確認したり、道順を教えてもらったりしている外国人旅行者の姿をよく見かけるようになった。それだけでも、東京五輪・パラリンピックが近づいてきたことを感じられる。
東京五輪・パラリンピックのボランティアとして登録している通訳ボランティアの人は、国家資格の「通訳案内士」がTOEICの840点相当の英語力をもっているとされる。しかし、そんな「通訳」レベルの英語力がなくとも、街で道を聞かれれば案内したい。居酒屋でいっしょに仲良く飲みたい。そんなニーズを満たしてくれる、強い味方が「音声翻訳機」だ。
「AI通訳機 POCKETALK(ポケトーク)」を販売するソースネクスト(東京都港区)は2019年12月11日、累計出荷台数が世界シェア31.1%(工場出荷ベースで算出。OEM出荷分は含まず)で第1位になったと発表した(19年11月末時点、 MM総研調べ)。
ポケトークは「言葉の壁をなくす」をミッションに、17年12月の発売。20年までに50万台の販売目標を掲げていた。当初は世界50言語以上に対応して、話しかけるだけで指定した言語へ翻訳して音声で返してくれる。クラウド上の最適な翻訳エンジンを選択することで、高い翻訳精度を実現。お互いの言語を知らなくても対話できる。
現在は、初代ポケトークの後継機として翻訳スピードや精度を向上させた「ポケトークW」と、英語や中国語はもちろん、ロシア語やポルトガル語の方言まで74言語に対応し、名刺サイズでカメラ機能を搭載した「ポケトーク S」を推進する。
「ポケトーク S」は19年12月6日に発売。お笑いタレントの明石家さんまさんを起用したテレビCM(ポケトーク「みやげもの屋編」)を目にした人もいるだろう。
利用者からも、
「英語と韓国語を使用しましたが、違和感なく通じて驚きました。これからも旅行には心強い必需品となりました」
「自社にベトナム研修生がいます。今まで意思疎通がなかなかできませんでしたが、かなりの精度で伝わるようになりました」
といった声が寄せられている。