障害者政策は喫緊の課題である
1972年に米ペンシルバニア州裁判所は「Pennsylvania Association for Retarded Children」を宣言しています。これは、差別的な教育に対する是正を求めたもので、教育のダンピングを招く危険性があることへの警告になります。
内閣府の「2017(平成29)年度 障害者白書」によると、身体障害者は392万2000人、知的障害者は74万1000人、精神障害者は392万4000人とされています。国民の6%が何らかの障害を有するとも言われるなか、障害者政策は私たちにとって喫緊の課題です。
なお、筆者は表記について「障害者」を使用しており、「障がい者」は使用しません。過去には、多くの障害者が権利を侵害されてきた歴史が存在します。それらの歴史について、言葉を平仮名にすることで本質がわかりにくくなる危険性があるため、「障がい者」を使用していません。
障害者や家族は世の中の偏見に苦しんでいます。偏見をなくすには、啓蒙と理解を深めなければなりません。本書は、命の尊さを学ぶことができる秀逸な一冊です。(尾藤克之)