一流の人は「未来逆算」で成功しています。誰もができる「未来逆算」の方法は、「紙に書くこと」です。
書くことが、なぜすごい未来につながるのか、どうして書くと夢が実現するのか、「未来を書く」とはどういうことか、夢を書いて実現する人しない人の違いとは何か―― を解説する本です。
「「未来を書く」ことで、どんどん夢は実現する」(本田健著)永岡書店
目標やビジョンの達成で、あなたも成功者の仲間入り
まず、書くことで思考と感情がはっきりわかるようになります。
いまの時季は、大手書店や百貨店では新しい手帳の販売コーナーができています。筆者の経験上、デキル人ほど手帳に予定を書き込みません。手帳が書くツールではなく目標を書くためのツールになっているからです。
知り合いの経営者で、10年前から手帳に「上場」と書き続けて、数年前に東証マザーズに上場した人がいます。
そして、書くことによって意識に刷り込みながら、具体的な行動に結びつけなければいけません。筆者はスケジュールを端末で管理しています。すべてを同期させているので、すぐにすべてに反映されます。
紙で予定管理をしていたら、こうはいきません。手帳には目標やビジョン、気になったことを書きとめたメモで溢れています。手帳が目標管理ツールであることがよくわかります。
目標やビジョンが達成できれば、あなたは成功者の仲間入りです。成功者と呼ばれる人たちは豊富なお金を所有しています。お金が手に入ることで幸せになれる(もしくは、なった)と「錯覚」をしますが、実際はどうでしょうか。人は、どのような状態になると幸せを感じるのでしょうか。
著者の本田健さんは、お金の所有と幸せは比例しないといいます。どれだけお金を稼いでも、貯めても、安心することができなくなるからです。大富豪ロックフェラーは、お金を失う心配で健康を害したときに、財団の構想を思いついたそうです。それ以後、彼は健康を取り戻し、長寿を全うできたのは、このバランスが取れたためだと言われています。
自らを客観視するクセをつけよう
本田さんは、「心から愛する人と一緒にいることで、人は幸せを感じるようになっていて、逆に、自分は愛されていないと感じると、すごく不幸になる」と解説します。
これは非常にわかりやすい表現です。恋に落ちたら、目に映るものはすべてがバラ色で、相手のためならなにも惜しくないという気持ちで燃え上がることがあります。しかし、残念ながら、その夢見心地の時間は、短くて数か月、長くても数年しか続かないものです。
会社であれば、入社したての頃はやる気に満ち溢れています。自分が望んだ会社であえばなおさらでしょう。すべてはバラ色に満ちて、明るい未来を描いています。ところが数か月も経てば、会社の理不尽を憂いて、上司に不満を持ち、こんなはずではなかったと思うようになります。
本田さんは、パートナーシップの道は、ハイリスク、ハイリターンだと言います。幸せになりたければ、幸せなパートナーシップを目指すことが理想であると。しかし、 パートナーシップが一時的にうまくいっても、関係がダメになると、この世界でもっとも不幸な人になると。
会社に置き換えてみましょう。有名企業といわれる企業群があります。難関ですが運よく内定を勝ち取りました。あなたは「運命的な出会い」を感じています。友人からは羨望の眼差しです。
しかし、有名企業に入社したところで人生の勝利者になるわけではありません。入社しても、上司、同僚が最悪だったらブラック企業になってしまいます。あなたは、1年後に退職しました。
ブラック企業といわれる企業群があります。人気も無く余裕で内定が取れました。他が落ちてしまったので仕方なかったのです。友人からはバカにされています。しかし、入社したら、上司、同僚に恵まれて、数年後には管理職に昇進。さらに数年後、上司に引き上げられて役員になりました。ブラック企業でも、このようなシチュエーションなら勝ち組といえます。
本書は「人生訓」として読み解いていくと、新たな気づきがあるように思われます。本書を読みながら目標やビジョンを持つこと、また、それらを紙に書くことの意味を理解してください。この機会に、目標やビジョンを再確認してみましょう。(尾藤克之)