国内GDP成長率は減速、怖い五輪終了後の反動
さて、国内経済については、2020年度は多くのエコノミストなどが予測しているように、実質GDP(国内総生産)成長率は2019年度から減速する可能性が高そうだ。安倍晋三政権は真水で3兆円規模の経済対策を打ち出しているが、台風19号など災害対策が中心となっており、景気を浮上させるほどのものではないだろう。
むしろ、現状の所得の伸びの鈍さや、急速に悪化している企業収益などを見た場合、景気悪化の可能性は否定できない。心配なのは、2019年10月の消費増税の影響だ。2020年には、駆け込み需要の反動、増税による消費の減速が本格化する。消費増税対策として実施されているポイント還元制度などが終了すれば、一段と景気が悪化する懸念もある。
加えて、東京オリンピック・パラリンピックの終了による反動は、景気の悪化を増幅させるリスクとして考えておく必要がある。(鷲尾香一)