ゴールは「障がい者が社会参加できる社会を創ること」
―― 今後、どのような取り組みを予定されていますか。
金子社長「2020年1月に、ラスベガスで開催される世界最大の電子機器の見本市、CESに出展することになりました。このショーには、世界各国から4500社の企業が出展し、18万人が参加しますから、ゆくゆくは各国にディストリビューター(代理店)を置きたいと考えている当社にとって、良い取引につながることを期待しています。
また、当社の技術と他社の技術を組み合わせが、新しい商品のアイデアにつながる場合もありますので、自社の売り込みだけでなく、他社ブースも積極的に回りたいと思います」
―― 「ダイナグラス」には、どのような将来性があると見ていますか。
金子社長「皆さんから、現在のダイナグラス1台の費用が高いと言われています。価格を抑えたいと思っていますが、そのために、企業にCSR(社会貢献)活動としてスポンサーになってもらい、その資金で障害者にダイナグラスを配布する。そして、たとえば港区や渋谷区のような自治体とタイアップして、視覚障害者に優しいエリアを作り、その輪を広げていくことも考えています。また、今は情報がお金になる時代です。ダイナグラスを付けて街を歩き、危険なスポットを地図に反映できるシステムを作れば、情報が欲しい企業がでてくるかもしれません。ダイナグラスを持って歩くことが価値を生み出し、価格に還元できるかもしれないのです。
理想は、視覚障がい者の方が、積極的に外に出て社会参加できる社会を創ること。ダイナグラスでそれを実現することが、私にとってのゴールです」
(聞き手 戸川明美)