2019年12月の日経平均株価は上昇基調にあり、13日には終値で1年2か月ぶりに2万4000円台を回復しました。
その背景には、米中貿易交渉が「第1段階の合意」に達したことや、英国の合意なきEU(欧州連合)離脱への懸念が後退したことなどから、世界景気に対する前向きな見方が広がったことがあるようです。
底値で買って高値で売却はプロでも至難の業!
株価が大きく上昇した際には、お客様から「今が売り時なのか」あるいは「今が買い時なのか」といった売り買いのタイミングに関するお問合せをいただくことがあります。
誰もが底値で買って高値で売却できればよいですが、最良のタイミングで売り買いするのは、たとえ資産運用のプロであっても「至難の業」です。
そこで、長期の資産形成の手法の一つとして、売り買いのタイミングを気にすることなく毎月一定額を積み立てる「積立投資」の魅力についてお伝えしたいと思います。
大切なことは「途中でやめないこと」と、その「覚悟をもって本気の積立を始めること」です。投信積立の「成功」の秘訣がそれです。
下図は、日経平均株価にITバブルがピークだった2000年1月末から2019年11月末まで、毎月1万円を積立投資した場合のシミュレーションです。
積立対象である日経平均株価は、スタート時の約2万円から下落したのち、19年間かけて、ようやく当初から約2割程度(約2万3000円程度)まで上昇しました。しかし、この期間ずうっと続けてきた投信積立の評価額は、なんと80.1%のプラスでした。
「積立対象が2割程度しか上がってないのに、積立したものは8割も上がっている」。これが投信積立のスゴさです。
今までの累計の積立元本239万円を、もしスタート時に一括で投入していたら、当然2割程度しか増えていません。しかし、239か月も買い続けてきた結果、評価額は80.1%も増加しています。下落した時に、途中でやめなかったことが、8割もの上昇につながったのです。安い値段で口数をしっかりと溜め込むことができたことにより、溜め込んだ分が、その後の上昇時に大きく花開いているわけです。