【年末は本を読む!】「5G」がついにやってくる! 「高速化」だけじゃない、実現可能なこれだけのスゴイこと

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「B2B」「B2C」から「B2B2X」に

   5Gによる革新は各産業ばかりか、通信業にも変化をもたらす。というのも、通信事業者のこれまでのビジネスは「B2B (B to B)」「B2C(B to C)」など「B2X」と呼ばれるモデルだったが、5G時代には、通信事業者は5G環境を提供することで、「B2B2X」というビジネスモデルを掲げて、各産業のDXをサポートすることが想定されている。

   通信事業者が5Gに付加価値をつけて、他産業の「センターB事業者」に提供。センターB事業者は、これまで自社でできなかった新たなサービスを展開することも可能になるためだ。たとえば、センターB事業者にMaas (Mobility as a Service=サービスとしての移動)の事業者を置くと、こういうことが考えられる。

   通信事業者はMaas事業者に、自動運転を実現するための5Gサービスに加え、エンドユーザーの属性や現在地、嗜好性などの情報から解析した移動に関する潜在需要などを提供できる。Maas事業者は、それを受けて、顧客に最適化した「移動」を提供できるようになるというスキームだ。

   5G時代のビジネスモデルは、「B2B2X」型が基本となりそう。すでに各通信事業者は、他産業とのパートナーシップを築く動きを強めているところ。本書では「5G時代とは通信事業者によるセンターB獲得競争の時代といえる」と述べている。

   一方、一般消費者レベルでは、本書によると、個々の消費者が既存のサービスを利用する際の通信需要という観点では、4Gで困ることはそれほどなく、5Gを求める理由は薄いという。消費者の通信需要に応えるため革新された4Gまでと、5Gはこの点が大きく異なる。

「5Gビジネス」
亀井卓也著
日本経済新聞出版社
税別860円

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