「ずっと正社員でいてほしい」と頼む彼氏と結婚しても大丈夫? 女性の投稿が大炎上 専門家に聞いた

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「生活とキャリア、ストレスの側面から検証してみては」

――川上さんが投稿者にアドバイスするとしたら、どう答えますか。

川上さん「そんな彼氏はやめた方がいい、という声が多いですが、結婚を考えているくらいですから、そう簡単に割り切れるものではないでしょう。投稿者さんがご自身の考えを整理する上で、(1)生活(2)キャリア(3)ストレスの3つの側面から検証してみてはどうかと思います」
「(1)の生活については、『稼ぎ』と『務め』の両面からうまく家庭が運営できるかを想像してみることです。経済界から終身雇用は無理という発言が出ているように、旧来型の収入獲得モデルの継続は難しくなっています。彼氏が投稿者さんに正社員として働いて欲しいと求める気持ちもわかります。では、生活費の獲得を夫婦対等に行うとして、家事や育児などの『務め』の負担は全て投稿者さんにのしかかってしまった場合に、上手く家庭運営を続けていくことができるのか。投稿者さんに過度なしわ寄せがいった場合に、お子さんに悪影響を及ぼす可能性も想定しておく必要があります」
「(2)のキャリアとは、ご自身の仕事人生のことです。もし結婚後に、夫と一緒に生活することが難しい事態が生じた場合、自力で生活できる力があるか否かで選択肢が変わってきます。正社員として『稼ぐ』力を備えていることは、いざという時に後ろ盾となります。また、人生100年時代に、長い老後を充実させるための『生きがいとしての仕事』を得ておくという観点も大切ではないかと考えます」

――なるほど。(3)のストレスとはどういうことですか。

川上さん「ご自身にかかるストレスです。もし『稼ぎ』の負担を抱え、『務め』も全面的に引き受けることとなった時、投稿者さんに過度なストレスがかかることは容易に想像できます。また、家事育児以外にも、何かトラブルや相談ごとが発生した時に、夫となった彼氏が常にダンマリを決め込んでしまうようでは先が思いやられます。いざという時に話し合うことができる関係性は、夫婦の間で最低限維持すべきラインではないでしょうか。仮に30歳で結婚して90歳まで夫と一緒に生活するとしたら、ともに過ごす時間は60年に及びます。その長い歳月をストレスフリーな状態で過ごすのか、ストレスフルな状態で過ごすのかは、人生の幸福度に多大なる影響を及ぼすはずです」

――そういう3つの観点から彼氏と結婚すべきかどうか考えよ、ということですね。

川上さん「はい。普通に考えれば、今の彼氏が夫になることで投稿者さんは苦労されることになるはずです。しかしながら、幸せを感じるポイントは人それぞれです。先に示した3つの観点から検証してマイナス面が見えたとしても、それ以上に一緒にいたい気持ちが上回り、何十年もその気持ちを維持し続けられる場合もあるかもしれません。ご自身の決断を信じて、ぜひ幸せをつかみ取っていただきたいと思います」

(福田和郎)

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